【強い通販化粧品会社になるために~基礎講座Q&A】◇60◇ お客の声に応えた商品を作りたい

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〈Q〉

 アンケートの結果をもとにお客さまの声に応えた商品を企画しました。要望に応え、価格を下げてパッケージも変更しましたが、思ったほど売れ行きが伸びません。どうしてなのか、何がいけないのか分かりません。お客さまの意見を取り入れた商品で、成果を得るにはどうすればよいのでしょうか。(中堅化粧品会社)

〈A〉 声の後ろにある「思い」くみ取って


◆お客の声をうのみにしない

 お客さまの声を取り入れて商品を企画することは大切です。でも、お客さまの言葉をうのみにしてはいけません。お客さまは、「もっと値段を安く」「サービスを充実して」と主観的に意見を言うだけで、全てを俯瞰でみているわけではありません。
 取り入れるべきお客さまの「声」は、言葉ではなくその後ろにある「思い」や「隠れた不満」「なりたい自分の願い」などです。
 なぜそういう意見なのか、本当の理由を知ることで、お客さまの深層心理が見えてきます。今回は、定量調査のアンケート結果だけで結論を得ようとしたことに無理があったのではないでしょうか。
 アンケートの裏に隠れているお客さまの気持ち、理由の裏付けを取る定性調査が必要だったように思います。


◆ターゲット選定は適切か

 アンケートを行う場合、大切なのは、サンプル数の多さよりも「売りたい人」を対象に実施することです。通販化粧品の場合、既存客ならばデータが充実しているのですから、年齢層、1回当たりの購入金額などで対象者を容易に絞り込むことができるはずです。アンケートは、「売りたい相手」、つまりターゲット層の絞り込みが最も重要になります。
 誰に売りたいのかがあいまいなまま、人数だけで調査するのでは意味がありません。どういう顧客層に買ってもらいたいかというターゲットが明確に設定された上で、その人たちを対象に意見を聞くから意味があるのです。

(続きは、「日本流通産業新聞」1月16日号で)

〈プロフィール〉
 鯉渕登志子(こいぶち・としこ)氏 アパレル業界団体、カネボウファッション研究所を経て(株)フォー・レディーを設立。化粧品通販を中心に「女性のための女性による広告制作」を手掛けている。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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