【千原弁護士の法律Q&A】▼299▲ 交際相手への販売で全額返金を申し立てられたが。

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 当社は社会人向けセミナーを行っています。消費生活センター経由で、当社の男性販売員Aについて、以下のようなクレームが来ました。Aは、結婚相談所で知り合ったBさん(女性)に、当社のセミナー受講を販売したが、その後、交際が終了して、連絡が取れない状況になり、Bはセミナー未受講であるため、全額の返金を求めるというものでした。当社は、クーリング・オフ期間を設けていますが、その期間を過ぎていて対象とはならないこと、当社規約に従って、30%の返金になる旨を説明しました。ところが消費生活センターは納得せず、あくまで全額返金を申し立てています。応じる必要はないと思いますが、いかがでしょうか。(セミナー運営会社社長)

〈回答〉 「婚活関係」利用は厳重に禁止を

 ご存じないかもしれませんが、消費者契約法の改正法(19年6月からの施行)では、(1)社会生活上の経験が乏しい人が(2)勧誘者に恋愛感情を抱き、勧誘者も同じ感情と誤って信じていることを(3)勧誘者(事業者)側が知りながら(4)契約を結ばなければ勧誘者との関係が破綻すると告げる─行為を、取り消し可能な行為に追加しました。

(続きは、「日本流通産業新聞」12月12・19日合併号で)

〈プロフィール〉
 1961年東京生まれ。85年司法試験合格。86年早稲田大学法学部卒業。88年に弁護士登録して、さくら共同法律事務所に入所し、94年より経営弁護士。第二東京弁護士会所属。現在、130を超える企業・団体の顧問弁護士を務める。会社法などの一般的な法分野に加え、特定商取引法・割賦販売法・景品等表示法・知的財産法を専門分野とし、また、数多くの大規模企業再生・倒産事件を手掛けてきた。業界団体である全国直販流通協会の顧問を務める。著書に「Q&A連鎖販売取引の法律実務」(中央経済社)などがある。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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