【千原弁護士の法律Q&A】▼293▲ 名簿業者から購入した名簿でテレアポを行っているが。

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 当社は学習教材の訪問販売を行っています。名簿業者から名簿を購入し、テレアポを取る方法で営業展開を行っているのですが、オペレーターが電話をかけると、お客さまから、「どこからうちの情報を手に入れたのだ」「個人情報保護法違反だ」というクレームをいただくことがあります。正規の名簿業者から入手している情報なので、問題ないと思いますが、いかがでしょうか。また、万一、個人情報保護法違反だとすると、特定商取引法と同じように業務停止命令を受けるのでしょうか。さらに、情報の入手元をお客さまにお伝えする必要があるのでしょうか。(学習教材訪販会社社長)

〈回答〉 法律に従っていれば問題ないが、法改正の動きも

 まず、個人情報保護法違反の有無については、(1)名簿業者が適正な入手方法にて、個人情報を取得していること(17年5月30日施行の制度改正以降は、一般的に名簿業者はオプトアウト規定による届け出が必要となったため、個人情報保護委員会のホームページ上で、当該名簿業者が届け出をしていることを確認する必要があると解されます)(2)貴社においても名簿業者から個人データの適正な取得経緯についての書面を受領していること(3)貴社において受領した個人情報について、法律に従った内容の記録を作成していること(4)貴社のホームページ等で、取得した個人情報の利用方法(教材の販売のために利用すること)が公開されていること─など、法律に従ったプロセスが取られているかをご確認ください。

 これらについては顧問弁護士に相談されるのがベストです。これらのプロセスがきちんと取られていれば、仮にお客さまから個人情報保護法違反である旨の指摘があっても、「法的な根拠がない単なるクレーム」ということになります。

(続きは、「日本流通産業新聞」9月26日号で)

〈プロフィール〉
 1961年東京生まれ。85年司法試験合格。86年早稲田大学法学部卒業。88年に弁護士登録して、さくら共同法律事務所に入所し、94年より経営弁護士。第二東京弁護士会所属。現在、130を超える企業・団体の顧問弁護士を務める。会社法などの一般的な法分野に加え、特定商取引法・割賦販売法・景品等表示法・知的財産法を専門分野とし、また、数多くの大規模企業再生・倒産事件を手掛けてきた。業界団体である全国直販流通協会の顧問を務める。著書に「Q&A連鎖販売取引の法律実務」(中央経済社)などがある。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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