【千原弁護士の法律Q&A】▼268▲ 「キャンセル」のアウトラインを教えてください。

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〈質問〉 
当社は、連鎖販売会社ですが、会員(代理店)は、一般消費者に対する小売も行っています。そのため、特商法の連鎖販売取引と訪問販売の両方の適用を受けると理解しています。さて、大ざっぱな質問で恐縮なのですが、教えてください。日常的に「キャンセル」という言葉を聞きますが、その言葉の中にはさまざまなケースがあるように思います。一度、整理をしておきたいので、アウトラインを教えてもらえますか。(ネットワークビジネス会社社長)

〈回答〉 多様な「キャンセル」が存在
 ネットワークビジネス(NB)会社と会員の間には、特商法の「連鎖販売取引」の規制が適用されます。そしておっしゃるように、会員が消費者に対して店舗等以外の場所で小売をすることを想定すると、会員と購入者との間には、法的には「訪問販売」のコンプライアンスを整えることが要求されると思います。
 会員が小売をするものの、訪問販売のコンプライアンスを実施していないNB会社も多いですが、貴社はこの点、きちんと対応されているものと理解しました。その上で、特商法のキャンセル制度を以下のとおり、ご説明します。

〇クーリング・オフ制度
 一定の期間内に意思表示をすれば、無条件に契約がキャンセルになり全額の返金を行う制度です。
 連鎖販売取引では、契約書面の受領日(貴社のような小売を行う会社では、初回商品の受領日と比較して遅い方)から20日、訪問販売では契約書面の受領日から8日、の期間とされています。
 なお、契約書面を交付しない場合、あるいは、契約書面に不備がある場合は、クーリング・オフ期間がカウントされないので、永久にクーリング・オフができる、という建て付けになります。

(続きは、「日本流通産業新聞」9月13日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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