【ヒットの予感】 簡単・手軽な包丁研ぎ器〈「トギサムライ」〉/独自設計で職人の動き再現

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 新潟・燕三条で家庭用品の企画から販売を手掛けるプリンス工業(本社新潟県、高野信雄社長、(電)0256—33—0384)は4月1日、自社開発した包丁研ぎ器「トギサムライ」の本格販売を始めた。独自に設計した研ぎを補助するホルダーを砥石(といし)に装着した。ホルダーが研師の研ぎ方を再現している。
 砥石に装着されたホルダーに包丁を差し込む。刃先を左右にずらしながら、前後に動かすだけで簡単に包丁が研げる。包丁を手前に引くときには刃先が砥石に当たり、押し出すときには刃が浮上する。刃を砥石に充てる角度は15度に維持できるようにした。
 砥石には耐久性のあるダイヤモンド砥石を採用した。包丁を研ぐ際に水を必要としないため、手やシンクが汚れない。使用後は砥石を水洗いし、乾燥させるだけで、特別なメンテナンスは必要ない。
 近年、海外での日本ブームにより国産包丁の切れ味の良さが広く認知されている。切れ味を保つには包丁を研ぐ必要がある。プリンス工業は16年、誰でも簡単に包丁が研げる「トギザムライ」の開発を始めた。
 17年2月にドイツで開催された生活用品の展示会「アンビエンテ2017」に出展した。同年8月から国内各地で実演販売を試験的に実施。3月までに約200個を販売した。最近はシンガポール企業からの注文もあるという。
 サイズは幅11センチメートル×奥行21センチメートル×高さ6センチメートル。価格は2万8000円(税別)。取り換え用の砥石は「極細目(#1200)」と「細目(#600)」の二種類を用意した。価格は各6500円(税別)。
 今後はより目の細かい砥石の発売も検討している。月間で20個をコンスタントに販売するのが目標だという。

独自設計のホルダーに包丁を差し込み、前後に動かすだけで簡単に包丁が研げる

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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