【千原弁護士の法律Q&A】255 消費者団体から会則等資料請求があったが…。

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(質問)
 弊社は、会員制でお客さまに物品の販売をしています。消費者トラブルなどは特にないと思っていましたが、今回、突然、特定非営利活動法人Aという消費者団体から書面が届き、弊社の会則についての質問や資料の提供の要求がありました。弊社としては、Aのような知らない団体に対して、要求に応じる義務はないと考えています。また、あれこれ難癖を付けられるのではないかと心配もしています。どのように対応したら良いでしょうか。社内では、このまま無視するべきという意見も出ています。
              (会員制販売会社社長)

”会則内容検討し改めて見直す機会に”


(回答)
 貴社のようなケースはよくあるものです。まずAが、内閣総理大臣が認定した「適格消費者団体」であるかを確認してください。
 これは消費者庁のホームページに公表されており、18年1月現在、日本全国で16の団体が認定されています。仮にAが、適格消費者団体であるときは、Aは、貴社と取引、関係等がなくても、団体自らが原告になって貴社に対して、問題となる会則の差止(変更)などを命じる訴訟を提起する権限があります。
 したがって、要求を拒絶する・無視する、などの対応を取った場合、訴訟に直結するリスクがあります。速やかに、消費者関連法規に詳しい弁護士にご相談ください。素人判断は危険です。
 さらに、Aが適格消費者団体の中から内閣総理大臣によって認められた「特定」適格消費者団体であった場合(これも消費者庁のホームページに公表されており、18年1月現在2団体)、最近始まったいわゆる集団訴訟法(消費者裁判手続き特例法)に基づいて、消費者に代わって、訴訟を提起することができます。こちらは会則の差止請求だけではなく、直接、多くの消費者を代表して被害の回復(金銭の支払請求)がされますので、万一、特定適格団体からの連絡であれば。さらなる注意が必要となります。

(続きは、「日本流通産業新聞」2月15日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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