【ニュースの深層】□□79 「いいね!」の大量売買/景表法に抵触の可能性も

 SNSのフォロワーや「いいね!」を大量販売する業者がインターネット上で横行している。フォロワー数が多い投稿ほど、信用度が高まる傾向にあるためだ。フォロワーを購入して、現実とはかけ離れた情報を発信、ユーザーを誤認させる行為は、景品表示法(景表法)に抵触する可能性がある。SNSを販促ツールとして活用する通販会社、EC会社は増えているが、情報をいたずらに粉飾することは、トラブルの原因となる。

■1万人を数千円で
 ネット上では、ツイッターのフォロワー1万人分を数千円で販売する業者が存在する。オークションサイトでもフォロワーの売買が行われている。
 ツイッターのフォロワーやフェイスブックの「いいね!」などを販売する複数の業者に取材を申し込んだが、いずれの業者からも返答はなかった。
 ツイッタージャパンはフォロワーの売買を禁止している。フォロワーの購入が発覚した場合、アカウントを凍結することがあるという。フェイスブックも虚偽の情報を掲載するなどの不正があった場合、サービスの利用を停止している。

■現行法では曖昧

 景表法では、商品やサービスについて、実際より著しく良いものだと思わせる「優良誤認」(第5条第1号)と、実際よりも著しく得だと思わせる「有利誤認」(第5条第2号)を規制の対象としている。
 近年、消費者に宣伝だと気付かれないように宣伝する「ステルスマーケティング(ステマ)」が問題となっている。中立な第三者の意見であるかのように誤解させることで、消費者の合理的な選択を阻害する恐れがあるためだ。
 ただ景表法では、ステマそのものを規制しているわけではない。例えば、芸能人が宣伝料をもらっているにもかかわらず、これを示さずに商品を宣伝するのはステマに該当する。その上で、「この芸能人が薦めているのであればいいものだ」と一般の人が誤解するようであれば、優良誤認表示としての規制が可能だが、たいていの場合、優良誤認としての解釈が難しいという。
 ステマの問題に詳しいひかり総合法律事務所の板倉陽一郎弁護士は、フォロワーを購入し、あたかもそのSNSの投稿が人気であるかのように見せる行為について、「対価性を隠す行為に該当しステルスマーケティングの一種といえるが、現行法では規制対象にはなりにくい」と指摘する。フォロワーの数が多いという理由で、ユーザーが必ずしも優良誤認するわけではないからだ。

■規制強化の動きも

 ステマの規制強化に向けた動きも出ている。

(続きは、「日本流通産業新聞」10月19日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

ニュースの深層 連載記事
List

Page Topへ