【カタログから分析 通販会社調査隊】161 トランスコスモス 日本直販事業「楽歳」/〝読み物風〟で手元に長く

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 トランスコスモスの日本直販事業は今年5月、70歳以上をターゲットにしたカタログ「楽歳(らくさい)」を創刊した。44ページ建てのA4変形判サイズ。年4回のペースで不定期発行する計画だ。
 購入履歴のある顧客を中心に、毎号100万部を発行していく。悩み解消グッズ、衣料品、靴などを中心に商品を掲載しており、70~80代に訴求していく。
 カタログ「楽歳」は〝元気に過ごす〟や〝楽しく過ごす〟がテーマ。「従来のカタログは、ほぼ商品だけを掲載してきた。楽歳では、手元に長く置いてもらえるように、冒頭ページから特集記事を載せるなど読み物風の作りにしている」(日本直販事業クリエイティブ企画部・村上直生部長)。
 創刊号では102歳の女性のインタビュー記事、7月に発行した第2号では68歳の農園主への取材記事を掲載した。
 特集記事の次のページには、特集内容と関連した商品を掲載。7月に発行したカタログ第2号には、家庭用耕運機や草刈機など園芸用品を紹介した。
 その他、暮らしに役立つ情報も掲載している。第2号では高額療養費制度を取り上げ、10月に発行予定の第3号ではバリアフリーについて紹介する。
 創刊号では衣料品を中心に掲載したが、顧客からの反応がよくなかった。これを踏まえ、第2号では、爪削り、爪やすり、耳かきなど、顧客の悩み解消グッズの取り扱いを強化した。
 「日本直販ブランドは今年で40周年。年配の顧客が多いという優位性がある。(シニア層の)暮らしの悩み解決を提案するようなカタログは珍しいのでは」(同)と話す。
 受注件数の比率は、電話が6割、はがきが2~3割、ネットが1割、FAXが1割未満となっている。
 カタログに備え付けのはがきには、顧客の意見や要望を書き込めるスペースを設けた。顧客の〝声〟を集め、「カタログの表現方法や配送など、サービスの改善につなげていく」(同)考えだ。
 第2号からは、はがきから川柳を応募できる仕組みを設けた。現在までに40~50件の応募があり、双方のコミュニケーションツールとして活用していきたいとしている。
 今後はネットとの連動性を強化する。10月に発行する次号から、日本直販のECサイトで特集記事などコンテンツの展開も予定している。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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