【カタログから分析 通販会社調査隊】〈52〉 「ファイヤー・レスキュー・ENS」/消防士向けカタログ つながりを重視した構成

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「ファイヤー・レスキュー・ENS」の表紙

「ファイヤー・レスキュー・ENS」の表紙

消防用品メーカーのシグナル(本社広島県、神出一彦社長)は98年6月に全国の消防職員向けカタログ「ファイヤー・レスキュー・ENS」を創刊した。99年に販売子会社シグナルOS(本社広島県、伊木則人社長)を設立し、通販事業を同社に移管している。
 カタログは消防署や消防士の詰所など、関連施設に配布している。ネット通販サイトも開設しているが、通販全体に占める売り上げの割合は、カタログが約6割となる。消防関係団体からは、カタログ経由の注文が9割を超える。
 商品は衣料品が中心で、オリジナル商品が約3割を占める。デザイナーを抱えているので、注文書に簡単なロゴやデザインを描き、オーダーのTシャツを注文することもできる。消防学校の卒業生などから、記念品としてまとまった注文が入るという。
 取り扱う商品のコンセプトは団結。「消防士はチームで活動する。団結意識を高めるものを中心に販売している」(伊木社長)と説明する。
 最近は子ども用品やディズニーと共同で企画したグッズも販売している。消防関連者でない利用者も増えてきた。
 消防署は自治体ごとに管轄が決まっているため、「関連者同士がつながるきっかけになってほしい」(同)という考えから約10年前から小説など読み物も充実させ、各地域の消防ニュースは取材も行っている。特に、海外の防災事情は反響が大きかったという。
 年々ネット通販の割合は大きくなっているというが、「誰でも手に取れるカタログの役割は大きい。一般の利用者にも目にしてもらい、防災意識を持つきっかけとしたい」(同)と話す。


【カタログデータ】
 発行元:シグナルOS
 創刊:98年6月
 発行頻度:年4回
 発行部数:5万部
 商品分野:消防グッズ
 構成:A4判カラー、154ページ


【会社概要】
 設立:99年
 社員数:11人
 販売媒体:カタログ、ネット、チラシ

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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