【美白・美肌化粧品特集 インタビュー】〈研究開発分野の充実に注力〉東洋ビューティ 大内利夫常務取締役営業本部長/充実した研究部門活用し信頼される商品提供

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む
大内利夫常務取締役営業本部長

大内利夫常務取締役営業本部長

化粧品OEM大手の東洋ビューティ(本社大阪府、瀧見良平社長、(電)06―6241―2121)は、研究開発・製造・営業の各分野において、高いレベルのサービス提供を実現している。中でも研究開発の分野の充実には、特に力を入れてきたという。同社の大内利夫常務取締役営業本部長に、研究開発部門について話を聞いた。

 ─貴社の研究開発部門について聞きたい。
 大内 研究開発部門は、当社が最も力を入れている分野のひとつだ。昨年、本社を移転したのも、旧本社をイノベーションセンターに改め、研究開発部門を拡充することが一つの大きな目的だった。研究開発部門では、製品開発、安全性評価、機能性評価、微生物評価、分析、基礎研究などを行っている。
 製品開発の面では、単にビーカーワークで処方を開発するだけでなく、パイロットプラントでの試験生産や、75リットルの真空乳化釜でのトライアル生産などが行える体制を整えている。そのため、「ビーカーレベルでは完成した処方が、実は大きな釜では再現性がなかった」といった問題が起こるリスクを極小化することができる。
 また、処方開発にあたっては、処方・サンプルのデータベース(DB)が役に立つ。当社では年間1万5000~2万件にも上る処方・サンプルをすべてDB化している。そのため、処方開発にかかる時間を大幅に短縮することが可能になっている。
 ─安全性試験や微生物試験の分野は。
 大内 安全性は化粧品にとって最も大切なファクターのひとつだ。当社では、加速試験機などを用意し、保存効力試験など、安全性確保に必要となる試験を、迅速に行える体制を整えている。
 ─貴社は化粧品の機能性評価も自社で行える体制を整えているということだが。
 大内 機能性研究の部門では、ヒト細胞試験から、肌水分量測定、分光測色計による皮膚色判定、皮膚レプリカ3次元解析装置による試験、3次元培養皮膚モデルを用いた試験に至るまで、多岐にわたる有効性評価が可能だ。
 化粧品で抗シワ表記をする際に必要となる、香粧品学会のガイドラインに基づいたヒト試験についても、自社内で行える体制を整えている。血流観察用の機器やサーモグラフィーなどの機材は、化粧品の販促資料作りにも貢献できるという。
 ─分析部門や基礎研究部門ではどのような取り組みを行っているか。
 大内 分析部門や基礎研究部門の大きな使命の一つに、新素材開発がある。大学や研究機関などともネットワークを構築し、新素材の開発などを行っている。
 例えば当社の独自素材としては、新型の両親媒性ビタミンC誘導体「Funcos(ファンコス)C―IS」がある。従来のビタミンC誘導体に比べ、安定性と皮膚親和性が非常に高く、3次元皮膚モデルの試験では、既存のビタミンC誘導体を約10倍上回る浸透力が確認されている。ビタミンCの供給力も、従来品の約200倍、メラニンの産生抑制作用も従来品の約2倍と高い。効果の高い自社原料を持っていることを、顧客企業から評価していただくことも少なくない。
 ─貴社の研究開発の今後について聞きたい。
 大内 充実した研究開発部門を持っていることは、当社の大きな武器となっている。今後も、この武器を十二分に活用し、お客さまから信頼され、求められる化粧品を開発していきたい。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

Page Topへ