【ニュースキンジャパン 小林和則社長】〈開業25周年を迎えて〉3つのPを根幹にグローバル戦略展開

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 ニュースキンジャパン(本社東京都、小林和則社長)は今年、開業25周年を迎える。3月には「ニュースキンジャパン25周年記念イベント」を東京ドームシティホールで開催した。この節目の年に、ニュースキンジャパンはグローバル戦略によって大きく変わろうとしている。その戦略は、プラットフォーム、プロダクト、プログラムという三つのPを根幹とするもので、ソーシャルメディアの活用の推進や新報酬プランの導入などで構成されている。この三つのPはフィールドにどのようなインパクトを与えるのか。小林社長に聞いた。

 ─17年12月期決算業績の売上高はどうだったか。

 売上高は、前期比5.2%減の約300億円だった。前期よりもマイナス幅は1ポイント向上している。第3四半期まではスローで推移したが、第4四半期は「ルミスパ」の先行販売を実施したこともあり、プラス成長になった。栄養補助食品と化粧品の売上比率はほぼ、半々だ。


■25周年の理由は製品の良さが第一

 ─ニュースキンジャパンが25年間継続できた理由についてどう考えるか。

 製品の良さが第一だ。しっかりと愛用者の方々がいてくださるのは、製品の良さがあってこそのこと。また、ニュースキンのミッションであるエンパワーメント(人々を豊かにする力になる)に共鳴してくれるリーダーが多くいることが大きい。ニュースキンへのロイヤルティーが高い多くのリーダーがビジネスを支えてくださっている。

 ─三つのP(プラットフォーム、プロダクト、プログラム)の戦略について。どのように進めていくか。

 グローバル戦略なのだが、前提として、17年に開催したグローバルイベント「ニュースキン ライブ!」で、米国本社ニュースキンエンタープライズのリッチN.ウッドCEOが打ち出したように、「より早く成長すること」にある。そのための一つ目のプラットフォームは、ソーシャルセリングがキーワード。日本では、関連法規を順守しながらソーシャルメディアガイドラインを18年1月に改訂して、より多くの人がフィールドで使ってもらえるような環境を整えていく。
 すでに25周年イベントのトークセッションに登壇した3人の若手リーダーが、上手にソーシャルを活用し、成長している。ただ単純にソーシャルで完結するのではなく、必ず「経験」を合致させることでしっかり伸ばしているグループも出てきた。これまでと同じく、実際に会ってABCをやったりセミナーを行う。ファーストコンタクトとして、きっかけを作る方法がソーシャルとなる。当社はプラットフォームを準備してさらに加速していく。
 製品では、ニュースキンはこれからもサイエンスベースの製品を開発していく。プラスアルファとして、ソーシャルでつながるということを考慮し、低価格帯でデザイン性の高い製品を提供していく。すでに17年10月には「パワーリップ」を投入した。現在の「ルミスパ」「genLOC Me」のようなビューティーガジェット関連製品も開発していく。
 プログラムでは、新報酬プラン「ベロシティ」を7月1日に本格導入する。すでに開始したアジアパシフィックでは非常に好調に推移している。
 「ベロシティ」の一番大きなコンセプトはスピードだ。スピードと柔軟性を持って取り組める。代表例はシェアリングボーナスだ。シェアリングボーナスによって、組織を作らないと収入を得られなかった人でも早い段階から報酬を得られる。ビルディングボーナスは、サークルグループのGSV(グループセールスボリューム)を増やせば増やすほど、大きな収入を獲得できる可能性が出てくるようになる。大きな組織を持っているリーダーは、大きな収入を獲得できた。今後はベースを残しつつも、さらに初期のビジネスメンバーにも収入を得る機会が新たに加わる。


■柔軟でスピードも叶えるプランに

 ─ボーナスの支払い方法も新しくなる。

 これまでは、月ベースのビジネスだったが、シェアリングボーナスの導入によって毎日コミッションが発生する。ビルディングボーナスは週ベースになる。500GSVというブロックを積み上げていくことで、収入を増やすことができる。基本的には月払いだが、シェアリングボーナスでは、「ペイ ミー ナウ」機能によって、1日分のボーナスでも3日分でも支払われる。また、シェアリングボーナスとビルディングボーナスを週ベースで得たい人には、毎週支払うことも可能だ。そういう意味で柔軟性があり、スピードも同時に叶えるプランになった。日払い・週払い・月払いと画期的なプランを構築した。
 導入したのは、同業他社との競争ではなく、他の収入の機会を提供している企業と競争して勝つためだ。例えば米国では、Uber(ウーバー)は週払いで月に平均1000ドルの収入を得ている。日本のパートタイマーの平均も月約10万円だ。ニュースキンでも、月に1000ドルを獲得できるようなメンバーを増やしていきたい。パートタイマーはある一定の場所に時間で拘束される。ニュースキンの場合、働く場所、時間は自分で決めることができる。数年後には副業が当たり前の時代が来る。追い風になるはずだ。

 ─SNSの使い方は。

 現状、ソーシャルを使いたい人は、まずは会社の認定が必要で、条件付きではある。日本では慎重に、フィールドがソーシャルを使いやすい環境作りを整備していきたい。下半期には、フィールドがソーシャルセリングをできるようにしたい。これも「Meコマース」の一環だが、メディアセンターの公式コンテンツライブラリーも下半期には導入したい。会社がコンテンツを用意して、それをフィールドがシェアするために活用してもらいたい。


■ネットとリアルの融合にも手応え

 ─フィールドにおけるソーシャルメディアの具体的な活用例は。

 実際に成長しているグループは、SNSを使って楽しいところを見せている。体験会もカジュアルにして、集まって楽しみながら、撮影してそのままアップしている。それが製品購入につながっている。
 ある成功しているグループの事例では、ビジネスメンバーよりも製品愛用者が圧倒的に多い。しかも、あえてビジネスメンバーにさせない。ビジネスをよく理解して、それでもやりたいという人のみがエグゼクティブ資格申請できるように育成しているという。ソーシャルでつながった場合、まずは体験会に招いてしっかりと製品を使ってもらい、購入につなげる。その後、相当な覚悟を持ってビジネスに取り組んでもらう。そのグループの1年間の購入継続パターンは高く、エグゼクティブの維持率も高い。このように新しいグループの形ができてきている。
 ネットとリアルの融合が上手くいっている。成功している若い世代のグループは、このビジネスに抵抗なくニュースキンに集まってきている。

 ─今期(18年12月期)の第1四半期はどうか。

 好調だ。今期も増収をめざしている。毎年コンスタントに成長することが企業としての力となる。企業の基盤を上げるためには、今回のグローバルでの三つのPの戦略に力を入れていきたい。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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