【ELJホーム 堀家正弘 代表取締役社長】米国高級塗料「イノセンス」採用し展開/外壁の常識を覆す製品、提案力で差別化

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 太陽光発電・オール電化を販売するELJソーラーコーポレーション(本社愛知県、田中守社長)は17年12月に、外壁塗装を専門に販売する100%子会社としてELJホーム(本社愛知県)を設立した。社長には、ELJソーラーコーポレーションの営業責任者である堀家正弘氏が就任した。米国の高級塗料「イノセンス」を採用し、米国で実績のある高い製品力と営業力で他社との差別化を図り、初年度となる18年12月期で売上高26億5000万円を計画する。堀家社長に新会社設立の経緯と事業戦略について聞いた。


 ーーー新会社を立ち上げた経緯を聞きたい。

 当社は、ELJソーラーコーポレーションの100%子会社として17年12月に設立した。
 太陽光発電・オール電化の営業を通じて、顧客から外壁塗装について相談を受ける機会が多くなってきた。私自身も以前から住宅リフォーム全般に対応できるサービスの提供に関心を持っていた。
 16年12月1日付でELJソーラーコーポレーション内に外壁塗装を提供するための専門部署「ホーム事業部」を設置して、試験的に営業マン11人で愛知県内で営業を行ってきた。17年12月期では計500件を受注し、売上高も9億円に達したことから新会社を作って営業を始めることにした。
 太陽光発電・オール電化の販売は、潜在的なニーズを掘り起こすという使命があるが、外壁などのリフォームは経年劣化が原因なので、消費者は頭の隅で「いずれはやらなければならない」と考えている。実際に営業を進めていくと、外壁塗装のニーズは高い。

 ーーー外壁塗装業界ならではの課題もあると聞く。

 消費者はどの会社、どんな素材を選んだら良いのか分からないというのが現状だ。塗装の素材、成分については専門性が高く、販売会社の営業マンの説明を信用せざるを得ない。
 太陽光、オール電化は、ネットで販売する企業もあるし、有名企業がメーカーとして名を連ねているので情報も多く、消費者は知識を得られる。
 そこで当社では、太陽光・オール電化の販売の経験を生かし、消費者が調べても分かりやすく、そして著名な米国製の素材「イノセンス」を選んだ。当社が新規参入することで外壁塗装業界に一石を投じることができればとも考えている。

 ーーーどんな外壁素材なのか。

 米国の最高級塗り壁塗材「STUC―O―FLEX」をベースに、日本市場向けに企画・開発した次世代多機能塗料「INNOCENCE(イノセンス)」を販売している。この商品の前身となる素材は、「雨のシアトル」の異名を持つ気候変動の激しい沿岸地域ワシントン州シアトルで誕生した。
 初施工から約30年に渡ってその機能を保持し続ける、耐久性能があるため大きな差別化になるだろう。日本国内では当社のみが独占的に販売権を持っている。

 ーーーリフォーム市場は、住宅メーカーや大型家電量販店など競争が激しい。

 消費者は「いつかはやらなくてはいけない」と感じてはいても、具体的なアクションを起こさないことが多い。
 基本的に外壁塗装は、新築から10年後くらいに検討することが多い。当社の商品は、住宅の建築から日が経たない方(10年以下の)が効果を発揮しやすい。そうした面で、他社とは競合せず、素材の強みを生かして十分に勝負できる。実際に、契約しているお客さまの7割は新築から5~10年未満の建物の家主だ。単価は他社の価格よりも2割ほど高い。
 当社が業界の常識を覆す製品力と、提案力で9億円の売り上げを上げることができた。

 ーーー販売は、太陽光発電・オール電化と同様、ドアツードアで進める。

 「サプライヤー」と呼ぶアポイント部隊がドアツードアで訪問し、アポを獲得する。その後、ご主人と奥さまが在宅の際に「クローザー」が改めて訪問して説明し契約するという流れだ。その際には外壁塗装に関する情報を提供し、お客さまに判断材料を提供することを心掛けている。
 まずは、愛知県と福岡県で営業を始めた。2月に鹿児島、3月に岡山、茨城に営業所を開設し、5拠点で営業を展開していく。太陽光発電・オール電化を契約した既存顧客へのアプローチも随時行っていく。
 基本的には外壁塗装を販売するが、顧客から要望があれば、ベランダ防水加工やその他のリフォームに関しても対応していきたい。消費者が住宅設備全般で困りごとがあれば、当社で解決できるサービスの構築と企業づくりをしていきたい。
 初年度となる18年12月期の売上高は前期比約3倍の26億5000万円を計画している。19年4月入社の新卒採用も始める予定で、グループ全体で60人の採用を予定している。

 ーーーELJグループとして企業ブランディングにも力を注ぐ。

 ドアツードアで接点を持てない消費者にPRすることを目的に、現在放映しているテレビCMの放送に加え、ウェブ広告や講習会(セミナー)の開催も検討している。セミナーは、開催するチラシをポスティングで告知し会場へ集客することを想定する。ウェブサイトからの流入で、19年12月期の売上高10億円を目指したい。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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