<事業開始以来5期連続で増収達成>【日本エコでんき 池田一敏 営業部長】定期訪問活動で信頼構築へ

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池田一敏 営業部長

池田一敏 営業部長

 首都圏で太陽光発電・オール電化を販売する日本エコでんき(本社埼玉県、立川仁社長)の業績が好調だ。2017年8月期の売上高は前期比22.5%増の25億2300万円。12年に事業を開始してから、5期連続で増収している。17年4月から、既存顧客のアフターフォローを目的に定期訪問活動を開始した。訪問した顧客から見込み客を紹介されるなど、徐々に成果につながっている。事業責任者を務める池田一敏営業部長に聞いた。


 ーーー17年8月期も2桁増収。好調の要因をどのように分析しているか。

 17年4月に新卒社員として約50人が入社し、彼らが着実にスキルアップし戦力になったことが売り上げにつながった。また、蓄電池と太陽光をセット販売することで販売単価が約100万円上昇した。契約数そのものに大きな変化はないが、顧客単価が上がったことで全体の売り上げを押し上げた。蓄電池とのセット販売は、契約数の7割を超えている。
 8月からは家電の販売も始めた。家電量販店に並ばないような住宅設備家電だ。新築住宅を購入した際に一緒に設置するような商品だ。
 商談の際に消費者から、「実は洗濯機も買い換えたい」「エアコンが古くなってきた」などのご相談をいただくことも多くなってきた。訪問販売というお客さまと対面で接する販売方法だからこそ、販売につながる。

 ーーー既存顧客への訪問活動を強化している。

 17年4月から、既存顧客(約6000軒)への全軒訪問を始めた。業績に寄与するほどの段階ではないが、以前は購入を見送った蓄電池を購入したいと言ってくれるケースも出てきている。アフターサービスをしっかりやる会社だということを理解していただく機会として活用している。実際に、こうした活動を通じて、お客さまの紹介をいただくこともあり、継続して実施していきたい。

 ーーー17年4月に入社した新卒が着実に成長していると聞く。

 約50人を採用した。例年約2割が初年度に退職してしまう。初任業務が難易度の高い営業職なので一定の退職者が出るのは避けられない。ただ、会社の仕組みや人間関係といったことを理由に退職するケースはほとんどない。
 18年1~5月にかけて計6回に渡って、社会人としての心構えやマナーを学べるような研修を入社前に実施していく。
 入社後、いきなり飛び込みの訪問販売というのはハードルが高い。当社としても入社前に信頼関係を構築した上で仕事に取り組んでもらいたいという思いがある。17年1月に初めて実施したところ、一定の成果がみられたので継続的に実施することにした。
 新卒社員は企業にとって財産だ。採用した学生を立派な社会人として育てていくのもわれわれの仕事だ。年々、人を育てることの難易度が上がっている。新卒を受け入れるわれわれもレベルアップをしていかなければならないと考えている。

 ーーー既存社員のレベルアップとはどのようなことか。

 30代後半から40代の世代は、世間の厳しさや忍耐力を働きながら学び、体得してきた。
 しかし、こうした考え方は今の新卒社員には全く通じない。新卒社員への教育も重要だが、新卒を受け入れる側の研修も重要だと感じている。

 ーーースキルアップに必要なことは。

 営業にとって重要なのは、確率と経験だ。たくさんのお客さまと対面することによって、辛い経験を含む良い経験、成功体験をつかみ徐々にスキルが磨かれていく。
 人材育成も同様で、コミュニケーションを密にし、多くの時間を共有することで信頼関係が築ければ着実にスキルアップにつながるはずだ。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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