【ベルーナ 海外事業部 吉田大輔 課長】ネット比率の高まりでスマホ対応加速

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 ベルーナはワイン通販のカタログ「MY WINE CLUB(マイワインクラブ)」を発行している。50~60代の富裕層をターゲットに展開しており、アクティブ会員数は約20万人。16年3月期時点のワイン通販の売上高は29億9200万円だった。国内のワイン通販で最大規模の品ぞろえと売り上げ規模を誇る。カタログからの注文比率が高い同社だが、ネットからの注文比率も急激に伸びており、売り上げの30~35%がネットからの注文になっているという。「マイワインクラブ」を運営する海外事業部の吉田大輔課長に、ワイン通販事業の施策について聞いた。

 ーーーベルーナのワイン通販事業の流れについて聞きたい。

 当社のワイン通販事業では、頒布会方式の通販が圧倒的な強みとなっており、他社との差別化のポイントにもなっている。例えば、当社はボルドーワインの頒布会通販を行っている。毎月1本のペースで6~12カ月間、豊富なバリエーションの中から、高品質なワインを提供し続けられるのは当社だけだと思っている。
 ただ、時代の流れもあり、顧客ニーズは「すぐに欲しい」という方向に変化してきているとみている。当社は頒布会に強みを持っているが、顧客の方は、単品利用の流れに変わってきているというのが現状だ。そこで、当社の中でも、単品通販を強化していこうという声が上がっている。
 単品通販では3本セットや6本セットの商品の売れ行きが伸びてきている。例えばワインの品評会で金賞を受賞したワインセットの売れ行きが好調だ。ボルドーという有名な産地で金賞を受賞した商品ということになると、認知度も高く分かりやすいため、お客さまも求めやすいのだろう。

 ーーーネット比率の高まりについてどうみているか。また、対応する施策は行っているか。

 売り上げで言えば、ネットの比率は現在のところ、35%程度まで高まってきている。当社の主要顧客である50~60代の男性からの注文をみると、いまだにカタログからの比率の方が高いが、全体の伸び率をみると、ネット注文が圧倒的に高くなっている。
 ネット注文の比率の高まりを受け、ネット向けの単品商品の開発も充実させている。ワインの品ぞろえについても、欧州だけでなく、南米など世界中のいろいろな国のワインをセットにしたコースを用意するようにした。単品では、このセットが最も売れ筋の商品となっている。ネット広告や新聞広告の掲載でもこのセットを訴求しており、新規顧客の獲得に寄与している。
 国のバリエーションを豊富に用意しているだけではない。同じボルドーワインのセットでも、当たり年といわれる収穫年のワインを入れたり、格上のワイナリーの商品を入れたりして、商品のバリエーションを増やすようにしている。

(続きは、「日本流通産業新聞」10月12日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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