昨年7月に社長退任を表明したジャパネットたかた(本社長崎県)の高田明社長。今年1月16日付で社長を退き、長男の高田旭人副社長が昇格する。高田社長はテレビショッピングのMC以外、すべての要職から離れる。同社創業以来25年間、カメラ店時代を含めると29年間務めてきた社長を辞めることについて「後悔は全くない」と断言する。社長退任を控えた心境や、退任後の新体制について高田社長に聞いた。
HD体制に移行
─昨夏に行った会見で、今年1月16日付で社長退任を表明しました。退任後の去就はどうなりますか。
「完全に引退します。ジャパネットたかただけでなく、ジャパネットホールディングス(HD)の代表も退きます。組織上、完全な部外者になる」
─会長や顧問という選択肢もあったのでは。
「もし私が会長として残るようなことになれば、ステークホルダーの皆さんはツートップという認識になるでしょう。もともと完全に任せることが最も理想的だと考えていました。副社長だけでなく社員たちも徐々に自信をつけているし、30~40代の若い考えを中心にやっていくことが、会社が長く続くことになる。私は66歳でまだ元気だし、元気なうちに譲ればアドバイスもできる。もし85歳まで社長をやると言ったら、若い社員から知恵は出てこないでしょう」
─高田社長退任後の組織体制は。
「ジャパネットHDを中心としたHD体制に移行します。これは副社長の経営方針です。ジャパネットHDに五つの子会社がぶら下がる。従来はジャパネットたかたとジャパネットコミュニケーションズの2社だが、アフターサービスを手掛ける『ジャパネットサービスパートナーズ』、物流の『ジャパネットロジスティクス』、広告代理事業の『ジャパネットメディアクリエーション(仮称)』が加わる」
─ジャパネットたかたで手掛けていたアフターサービスや物流部門を法人化する狙いは。
「販売からアフターケアまでしっかりした体制にしたいとの判断からです。今までジャパネットたかたの中にあったアフターケアや物流を分散して、それぞれを最高の品質にすることで、販売から販売後のケアまでをしっかりやっていく。それによって一流の会社にしたいということは私も以前から掲げていました。それを具体化するため組織を考えたのが副社長です。われわれのビジネスにお客さまが満足していただくことで、100年続く企業になるのではないか。それを半端にしていたのでは駄目だという私の思いを引き継ぎ具現化したということです」
(続きは本紙1月8日号で)
【新春インタビュー】〈1月16日付で社長を退任〉ジャパネットたかた 高田明社長/「復帰はしない、新社長を100%信頼」
記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。