【ダスキン 山村輝治社長】長期戦略「ONE DUSKIN」を掲げ事業推進/タブレット端末活用で提案力向上

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 ダスキンは16年3月期を初年度とする、9カ年の長期戦略「ONE DUSKIN」を掲げ事業を進めている。17年3月期は、主力の家庭訪販事業は減収だったが、役務サービスが好調でクリーン・ケアグループでは2期連続の増収増益を達成した。顧客に対する総合提案の推進を目的に、販売員が営業で活用するタブレット端末を2800台に増やすなど事業モデルの改革に取り組んでいる。18年3月期を最終年度とする中期経営計画「第1フェーズ(3カ年)」の進捗状況などについて山村輝治社長に聞いた。

 ーーー17年3月期における家庭訪販事業について聞きたい。
 クリーン・ケアグループについては2期連続で増収増益となった。モップやマットなどのレンタルダストコントロール事業では、若年層の新規顧客開拓が思うように進まず、家庭向けの訪問販売は、前年と比べ1・7%減収した。
 販売員が高齢化していることに伴い、お客さまも高齢化している。若い販売員の採用が困難になってきている。人手不足の煽りを当社も受けており、待遇面でパートやアルバイトと比較されると、時給換算で安定した仕事に流れてしまう傾向にある。
 クリーン・ケアグループ全体では、エアコンクリーニングサービスなど役務サービスやイベント関連用品・介護用品等のレンタルなどが好調なので、全体として順調だ。

 ーーーここ数年、顧客接点をキーワードにさまざまな施策を打ち出してきた。
 苦労しているのはドアツードアでは接点が持てない消費者との「ファーストコンタクト」だ。そのため、時代の変化に合わせてドアツードアの営業手法も変えている。在宅率の高い夕方の時間帯や土曜日の午前中に集中的にドアツードアを行う加盟店もある。
 ダスキン全体では、ショッピングセンターでの体験イベントやウェブサイトからの集客が成果を上げつつあるので、こちらにも力を注いでいく。

 ーーー販売員が営業で活用するタブレット端末の導入も進んでいる。
 昨年度は2800台のタブレット端末を営業に利用している。販売員は、商品に関して詳細な知識を持っていなくてもお客さまと接することができる。お客さまとの会話には困らないが、商品・サービスの説明が難しいと感じている販売員は多い。タブレット端末を活用している販売員は、活用する前よりも約33%、平均顧客単価が上がることが分かっている。販売員がお客さまに情報を伝える手段は、カタログや口頭などさまざまあるが、商品説明を動画で見てもらえば販売員の負担も減るし、購入にもつながっている。

(続きは、「日本流通産業新聞」8月24日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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