化粧品通販を手掛けるメディプラス(本社東京都、恒吉明美社長)は今期、主力商品「メディプラスゲル」の使用について〝効果実感〟を保証する取り組みを始めた。まず顧客に効果実感を約束することで、将来のブランド価値向上につなげいくのが目的だ。商品ラインアップのリニューアルも計画しており、今秋から来春にかけて新商品を投入していく。今期の取り組みや目的を、恒吉社長に聞いた。
■効果を実感しなければ返金する保証を付けた
ーーー8月期決算なので今期はすでに10カ月近くが経過しています。今期はどのような方向性で臨んだのですか。
「今期の事業テーマは〝効果実感ファースト〟を掲げており、顧客貢献という軸をしっかり作って、お客さまに効果を実感してもらうことを優先して取り組んでいます」
ーーー具体的にはどのようなことを行っているのですか。
「メインアイテムの〝メディプラスゲル〟において『乾かない・柔らかくなる・メーク乗りが良くなる』という三つの効果実感が得られなければ〝返金します〟という保証書を付けています。自分たちの姿勢として、肌トラブルでなくても期待した効果と違うという場合は、返金するというテストを始めました」
ーーー効果実感を保証することによる影響は懸念しませんか。
「結果は1年では測れないと思っています。私たちの商品は継続率がとても長く、5年や10年継続してくださるお客さまがいます。返金を保証することで、事業構造や継続率が大きく揺らぐとは思いませんが、まず自分たちの姿勢を変えようということで、私たちの商品がお客さまの肌にどう貢献するのか具体的な項目を挙げて、これが期待値と違ったら返品にも対応しますという姿勢を打ち出しました」
■ストレスオフを共有価値創造に
ーーー効果実感ファーストに取り組む理由は。
「時代を超えて必要とされるブランドになるためにはどうしたらいいかを考えた結果、クリエート・シアード・バリュー(CSV)という共有価値創造が重要であり、当社ではそれを『ストレスオフ』だと考えました。ストレスオフ活動のムーブメントを作って、それを追い風に自分たちの事業を盛り上げていく。世の中の機運を味方につけて、選んでもらう。そのようなことを考える中で、まずはお客さまに効果実感を約束できていないと、ブランドとしての価値は成り立たないと思ったからです」
「この取り組みは長期的なビジョンの一部分であり、われわれには50年ビジョンという『ストレスオフ』を軸に自分たちが2050年にどうあるかという計画があります。今はまず事業を作りました。次は東京オリンピックまでにブランド価値を作りましょう、ブランド価値を作り切ったら社会的な価値を獲得して、最終的にはストレスオフの文化を作りましょうということです」
ーーーなぜ、そのような長期的ビジョンを作ろうと思ったのですか。
(続きは、「日本流通産業新聞」6月29日号で)
【通販化粧品トップインタビュー/メディプラス 恒吉明美社長】「ストレスオフ」の文化を作る
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