電力小売でネットワークビジネス(NB)を展開する外資系企業アンビット・エナジー・ジャパン(本社大阪府、クリス・チャンブレス社長)は5月24日にプレオープンを果たした。クリス・チャンブレス社長に今後の展望などについて聞いた(インタビュー実施は6月6日)。
■米国本社は創業約6年で年商10億ドル企業に
ーーー沿革から聞きたい。
当社の親会社はアンビット・エナジー(本社米国テキサス州)だ。06年にテキサスで私と、ジェリー・トンプソン・ジュニアと共同創業した。電力とガスを商材にNBを展開している。創業から約6年で売上高10億ドル(約1100億円)を達成した。成長スピードの速い企業として、ビジネス誌で取り上げられたこともある。16年12月期の売上高は約12億ドル(約1300億円)だった。電力の販売が売り上げに占める割合は約8割だ。米国においては、トップクラスの電力小売企業だと自負している。当社にとって、日本は2番目の市場になる。私は、米国本社と日本の社長を兼任している。現在は、大阪の本社に常駐している。
ーーー電力をNBで販売し始めたきっかけは。
80年代に米国で長距離電話回線の小売り自由化が行われたときに、NBの仕組みを利用して長距離電話回線の販売を手掛けた。その企業は、約7年間で売上高10億ドルを達成した。その成功体験から、ダイレクトセリングの市場はとてもパワフルだと判断、電力小売りのNBを立ち上げた。
ーーー日本を二つ目の進出国にした理由は。
日本では、16年4月から電力小売りの自由化が始まった。その仕組みは、テキサスの電力小売りの仕組みにならった部分があり、参入がしやすいと考えたからだ。日本の市場は魅力的なもので、大きな可能性を秘めていると考えている。
ーーー日本市場の開業準備にはいつから取り掛かっているのか。
進出の準備としては、16年3月ごろから動き出している。16年8月に会社登記を行い、同年12月に経済産業省に小売電気事業者としての登録申請を行った。登録されたのは、今年の4月25日。5月24日にプレオープンし、会員登録の受付を開始した。
7月24日にグランドオープンする予定だ。電力小売りが可能なエリアは沖縄を除く日本全国だ。プレオープンと同時に、一斉にスタートした。今後、沖縄エリアも対応エリアに含めるかどうかについては、現在リサーチを進めている段階だ。将来的にはガス販売も手掛けていきたいと考えている。ガス販売に向けて、今は市場調査などを進めているところだ。
(続きは、「日本流通産業新聞」6月8日号で)
【アンビット・エナジー・ジャパン クリス・チャンブレス社長】「電力小売」のみでNB参入/開始2週間で会員「数千人」
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