〈今後の方針を聞く〉ショップエアライン 竹内拓社長/海外購入しやすい仕組みを強化

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ショップエアライン 竹内 拓社長

ショップエアライン 竹内 拓社長

 BEENOS(旧ネットプライスドットコム)の子会社、ショップエアライン(本社東京都、竹内拓社長)が顧客向けサービスを強化している。運営するサイト「セカイモン」は、米国最大のオークションサイト「eBay(イーベイ)」の商品を日本語に翻訳し、日本円で購入できる。海外から商品を購入する際の不便さを払拭するほか、為替変動に左右されないプロモーションを強めてく考えだ。竹内社長に最近の取り組みと今後の方針について聞いた。

複数商品をまとめて発送

 ─直近1年間で顧客向けのサービスをさらに強化しているそうですが。
 昨年12月、一人の顧客が複数の売り主から商品を購入した際、商品を一つにまとめて日本に送るサービスを開始しました。当社はロサンゼルスに倉庫を持っています。倉庫で商品を30日間保管できることや、まとめることで送料を節約できる利便性が評価されて利用者は拡大しています。
 ─顧客は個人輸入の形なので、商品によっては一度に購入できる数に限度があるものもある。
 大量に買うと商売用の仕入れと見なされて関税が高くなるものもあります。そのときは、顧客に「何個以下で購入してください」というコミュニケーションを取ってサポートすることもあります。倉庫の留め置きを利用したまとめ買いも安心して利用してもらえます。
 ─米国との時差で、日本の顧客がオークションの落札で不利になることはないか。
 狙っていた商品が時差のせいで就寝中に落札されて購入できないという話は珍しくありません。この対策として、今年1月から「スナイプ入札」という機能を提供しました。顧客が入札金額を設定して、オークション終了直前に自動的に入札を行う仕組みです。以前は顧客の入札数に対する落札数は4割程度でしたが、スナイプ機能を追加したことにより5割ほどまで上昇してきています。この機能も徐々に顧客に浸透しつつあるように感じます。


「欲しいから買う」にさせる

 ─顧客属性や人気の商品は。
 現在は7対3で男性顧客が多いです。車のパーツやフィギュア、楽器などの動きが活発です。リピート率も高いと思っています。しかし、男性は価格にシビアなのか、円高・円安の為替の影響を受けやすいように感じています。オークションではありますが、「値段が安いから買う」ではなく「欲しいから買う」と思ってもらえる商品のプロモーションを強化していく必要があります。例えばアパレルは値段より「この服が欲しい」という欲求が先行するでしょうし、価格比較されやすいブランド品でも「米国限定商品」などは手に入れたいという気持ちが強くなると考えています。
 ─価格に左右されない商品のプロモーションをどのように強化するのですか。
 今まではSEOとリスティングで、顧客自身がニッチなワードで検索して来店してくれることが多くありました。今後はそこまで至らない顧客にも商品を気に入ってもらい、「欲しいから買う」という動機を起こさせる仕組みをSEOとサイトの見せ方で実現していこうと考えています。
 このほか、顧客への提案方法もこれまでは当社からのメルマガがメーンだけでしたが、顧客同士のアフィリエイトの仕組みも作りたいと思っています。「セカイモン」で販売している車のパーツや釣り具のリールなどのニッチ商品は、当社の社員がメルマガで魅力を語るには限界がありました。ニッチ商品はコレクターなどの顧客の方が詳しく、より魅力的に伝えられるはずです。顧客同士の情報交換ページを用意して、自然と商品プロモーションができるようにしていきたいと思っています。
 今後も、為替の変動に左右されない強固な経営体制の構築と、海外から商品を買いやすい仕組みの強化を続けていきます。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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