オイシックス・ラ・大地が展開する食品宅配ブランド「らでぃっしゅぼーや」が新たな成長を見せている。25年3月期も会員増と堅調な業績を維持している。らでぃっしゅぼーや通販事業本部の吉田耕太本部長に、コロナ後の状況やSNS活用の取り組みについて聞いた。
─会員数が純増するなど、再成長の兆しが表れている。
新規会員数が順調に伸びている。コロナ禍の反動で苦戦したが、23年から会員数が純増ペースになってきており、成長軌道に乗っている。
生産者、作り手の応援にもつながり、料理が楽しくなる価値提供の一環として、2年前から規格外の農産・水産品を販売する「ふぞろいらでぃっしゅ」というサービスに力を注いでいる。会員も天候不順を肌で感じていて、生産者の苦労を認識している。普段の生活の中で、無理せず、消費を通じて応援につながる取り組みだから支持されている。
具体的な取り組みとして、今年6月に発売した国産真鯛のあらや骨からだしを取った冷や汁の素「野菜たすだけ 鯛だしで食べる国産真鯛冷や汁」の販売が好調だった。骨が大きく太いため、魚体の半分以上が未利用部位となってしまう真鯛だ。その真鯛のあらを焼いて臭みを取り除いてから、昆布とともに煮出した。生産者の応援にもなって、さらに時短の要素やこれまで出会ったことのない料理ができるので喜んでもらっている。
─コロナ禍前と比べてはどうか。
コロナ禍前と比べても会員数は伸びている。コロナ禍前は、純減傾向だったが、コロナ禍をきっかけに新規登録した会員が増えており、現在も継続して利用していただいている。
「Oisix」や「大地を守る会」と同様に、安心・安全な食材を求める層からの登録が中心だ。「らでぃっしゅぼーや」は、共働き世帯で忙しい中でも自分で料理し、料理を楽しみたい人が多い。
─新規会員はどのように獲得しているか。
ウェブによるプロモーションの「お試しセット」の販促が中心だ。以前のように新聞折り込みチラシなどは行っていない。規格外品のことや、食べて応援するという内容をサイトに盛り込んで、関心の高い層にリーチしている。
(続きは、「日本流通産業新聞」11月14日号で)
【オイシックス・ラ・大地 らでぃっしゅぼーや通販事業本部 吉田耕太本部長】/安心・安全な食材との出会いで顧客体験の向上を目指す(2024年11月14日号)
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