【アンファー 吉田南音社長】/オンライン服薬指導も展開、医療から美と健康を(2024年8月8日・15日夏季特大号)

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「スカルプD」などの育毛剤やシャンプーを販売するアンファー(本社東京都)ではこのほど、取締役の吉田南音氏が、代表取締役に就任した。6月には、AGAに特化したオンライン診療・オンライン服薬指導のポータルサイト「スカルプDクリニック」を開設した。「当社がこれまで主力としていたのはAGAの領域だった。さらにチャレンジして、医学の領域から、美と健康をサポートしていく」としている。吉田社長に、就任の抱負を聞いた。

■後発の最大手

 ─6月に開設したオンライン診療・服薬指導のプラットフォームについて聞きたい。
 当社が開設した、AGA治療に特化したオンライン診療のポータルサイト「スカルプDクリニック」は、「Dクリニック」「イースト駅前クリニック」など、全国46院のクリニックと提携している。「スカルプDクリニック」のサイト上から、オンラインでのカウンセリングと診察を予約する。電話とオンラインの診察後は、各クリニックがAGA治療に役立つ医薬品を販売し、自宅に配送されるという仕組みだ。
 当社は、オンライン診療の領域においては後発だ。ただ、AGAの領域においては、後発の最大手だ。
 コロナ禍において、AGA領域では大きなニーズの変化が起きた。規制緩和でオンライン診療・オンライン服薬指導が解禁となった。それによって、オンライン処方の仕組みが構築され、ユーザーのハードルが下がり、市場が拡大した。同時に、AGA関連の医薬品やサービスの価格破壊が発生している。
 こうしたことから、大手であろうと簡単にシェアが取れるとは考えていない。価格以外の付加価値として「スカルプD」ブランドが持つ医学的知見を提供していきたい。


■髪の毛の駆け込み寺に

 AGA治療の領域で当社が持つ強みは、これまで育毛剤やシャンプーを販売してきた「スカルプD」の知名度だ。当社はこれまで、「予防医学のアンファー」というブランド名で認知拡大を図ってきた。メディカルなイメージが、髪の悩みを持つ新規ユーザーを取り込むきっかけになると考えている。
 我々は、グループの中でAGAのクリニックを運営しており、ドクターも専門家も擁している。AGAだけでなく、抜毛症や頭皮の湿疹、円形脱毛症など、どんな悩みでもまずは相談してほしい。その入り口として「スカルプDクリニック」を開設した。
 今後、「スカルプDクリニック」内に、AIチャットや画像診断といった機能も導入する計画だ。将来髪の毛がどうなるかという改善イメージまでAIが提案できるサービスを作りたい。


■「アクティブエイジングライフ」

 ─吉田社長のこれまでのキャリアについて聞きたい。
 私は2010年にアンファーに入社し、スカルプDブランドのECに関連したデジタルマーケティングやダイレクトマーケティング、デジタル広告のディレクションを担当してきた。ブランド戦略や店頭販売の領域も担当した。ECでどう商品を販売していくかについて、戦略を考えてきた。
 19年には、グループ内でクリニックのコンサル事業を統括することになった。当社のグループにとって、クリニック事業は根幹の事業に当たる。
 ─社長就任の抱負について聞きたい。

(続きは、「日本流通産業新聞」8月8日・15日夏季特大号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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