【食品宅配 インタビュー】 シュガーレディ本社 佐藤健社長/著名人への食材提供で認知度向上図る

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 シュガーレディ本社(本社東京都、佐藤健社長)は、無料試食会「シュガーパーティ」を通じて、新規顧客獲得を推し進めている。新たな取組みとして今年から、食にこだわりを持つバレエダンサーなどのパフォーマーやスポーツ選手や著名人などに食材を提供し、SNSで認知度を高めている。佐藤健社長に聞いた。

 ─19年3月期の状況はどうか。
 18年4—9月期(中間期)の売上高は前年同期比1%減とほぼ横ばいで推移している。月によってばらつきがある。販売拠点で最も売り上げの大きな湘南支社が好調で、全地区の起爆剤になっている。
 販売員「シュガーレディ」が開く「シュガーパーティ」で、電子報告書の提出を条件に開催手当を支払う制度を始めている。この制度の活用で試食会の回数は着実に増えている。販売員数は増えていないものの、一人当たりの単価は着実に上がっている。
 今期は引き続き、新規顧客を増やす方針だ。特に、30代以上の顧客層を開拓したい。食品スーパーやコンビニなどは「プレミアム感」を前に押し出した商品も目立っている。そのため、一般消費者にとっては、当社の商品と差別化が理解されづらくなってきている。
 ─著名人やスポーツ選手への食材提供も始めている。
 一流の人の食事面をサポートする活動を始めた。ブランディングを強化することで、他社製品との差別化になることを狙っている。
 例えば、スポーツ選手であれば、当社の管理栄養士がアレルギーや日々の食生活などをヒアリングして、最も適した食材を無償で提供している。選手には、「もし気に入ったらSNSで広めて欲しい」と伝えている。
 著名人では、宇崎竜童、阿木燿子夫妻に提供しており、宇崎さんにはインスタグラムなどで調理後の写真などを積極的に投稿していただいている。
 今年からは、バレエダンサーの熊川哲也氏が主宰する「Kバレエカンパニー」へ食事面でのサポートを始めたほか、9月からは、日本フェンシング協会のオフィシャルスポンサーとなり、選手への食事のサポートのほか、選手のユニフォームなどに当社のロゴが掲示される。2020年の東京オリンピックだけではなく、日々の食事をサポートして活躍してくれることで成果につなげてほしいと考えている。
 以前はテレビCMなどのマス媒体で認知を広げた。成果がなかったとは言わないが、食にこだわりを持つ人をメインターゲットにすることで、現代の口コミとしてSNSを活用することで広めていきたい。 
 ─販売員向けの支援アプリも活用する。
 タブレット端末やスマートフォンなどで活用できる専用アプリ「シュガーメイトオンライン」では、料理のポイントを盛り込んだ動画を配信している。販売員に対し、調理のポイントやセールスポイントについてパーティを開催する前に必ず見ることを義務付ける。従来は、ミーティングなどでマネージャーから販売員に伝達されていた内容を、本社から配信される動画を見ることで、一定の対話レベルや品質が担保される。 
 上位のマネージャーの資格「認定マネージャー」全員にタブレット端末の支給を始めており、パーティ報告や電子報告書といった処理もタブレット端末でできるようにしている。
 ─香港で初の店舗をオープンした。狙いは。
 当社の商品230品目をそろえ、調理ができるキッチンも設置し、料理教室や無料試食会ができるようにした。まずは、現地に住む日本人を対象に試食会を通じて広げていく想定だが、既に多くの香港人も来店いただいている。今後は店舗販売とオンライン販売の相乗効果を期待している。
 ─「パーソナル健康アドバイザー」をイメージした。顧客の好みに合わせたメニュー開発について聞きたい。
 健康をテーマにした商品やサービスを開発する「健康サポート推進課」を社内に設置した。当社の企業理念は「安心・美味しさの『その先へ』」。この「その先へ」というキーワードに沿うものだ。
 具体的には、食生活に関するアンケートに回答してもらい、その人に合う当社の食材を提案するというものだ。当社の販売員は、その結果を踏まえて提案することができ、有力な販促ツールになることを期待している。今後は、管理栄養士の採用を増やすことで、健康に関する視点を付加価値として提案していきたい。


【企業データ】
 設立 1970年
 売上高 18年3月期は前期比2・7%減の156億6200万円
 取扱商品 無添加にこだわった冷凍食品、常温食品、化粧品、サプリメントなど

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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