カットされた食材とレシピをセットにした「夕食食材」を販売する食品宅配企業の多くが苦戦している。
競合となる「Oisix」が食数を順調に伸ばしているほか、イオンやイトーヨーカドーなどのネットスーパーによる取り扱いが増えているためだ。各社の業績を見ると、”時短”ニーズを取り込めておらず、顧客の取り組みに苦心している様子がうかがえる。
ショクブンの売上高は、主力の「夕食食材キット」の販売が前期比9.6%減と振るわず減収となり、営業赤字だった。
ヨシケイ新潟や群馬、北海道の三つのFCを抱えるオーシャンシステムも、「食材宅配事業」の売上高が同1.8%減の45億9300万円で、営業利益は同7・5%減の2億1100万円の減収減益だった。
らでぃっしゅぼーや、大地を守る会も「ミールキット」を販売しているものの、「既存顧客の年齢層とミールキットを求める年代とにギャップがあるので、ニーズを取り込めていない」(IR)と販売が伸びていない理由を分析する。
ヨシケイ開発は、東京支社を東京本部に格上げした。若年層向けの戦略メニュー「Lovyu(ラビュ)」の開発を目的としたメニュー開発部の分室を設置し、メニュー開発の新たな拠点として機能強化を図っている。
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