本紙が実施した食品宅配企業の売上高調査によると、21年度の17社合計売上高は2340億9900万円だった。前年調査と比較可能な17社で算出した実質伸び率は1.6%だった。食品宅配業界はコロナ禍の需要の波に業績が左右されている。21年は、コロナ禍1年目の反動があったものの増収企業が目立った。22年3月期も反動が継続しつつも、減収幅は大きくなかった。コロナ禍前と比較すると上回る実績となっており、全般的に堅調と言えそうだ。
ランキングトップは全国で65のフランチャイズ(FC)店が加盟するヨシケイグループで、14年連続で首位を維持した。
ミールキットはコロナ需要から成長が鈍化した企業もあった。オーシャンシステムは食材宅配事業が前期比0.8%減だった。ショクブンの売上高は前期比0.5%増とほぼ横ばいで着地した。ワタミは2月1日に販売を開始したミールキットが7カ月累計20万食を達するなど、競争が激化している。
らでぃっしゅぼーやと大地を守る会、阪急キッチンエール関西など、コロナが追い風となった21年に比べて減収に転じている。
コロナ禍でも好調を維持するのがシニア向けの宅配。ワタミはコロナ禍で不振の外食事業に代わる形で宅食事業が主力に成長。シニアライフクリエイトやシルバーライフなどフランチャイズ(FC)で展開する企業も順調だ。
食品宅配は、今夏の猛暑や豪雨など天候不順に伴い、食材の仕入れが打撃を受けたという。自社便の燃料費、包装資材の値上げに加え、人件費の高騰も懸念される。顧客目線のサービス設計がいっそう求められそうだ。
【食品宅配売上高ランキング 2022年版】 コロナの反動も成長維持/ミールキット、シニアで堅調/実質伸び率は1.6%(2022年10月13日号)
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