【2022年版 食品通販売上高ランキング】 〈食品通販売上高動向〉110社合計売上高は7017億円/原材料高騰に悩む事業者多し(2022年10月13日号)

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 本紙が実施した食品通販売上高調査によると、21年度における110社の合計売上高は7017億7000万円だった。20年度と比べると、21年度の食品通販業界において大幅な増収を記録した事業者は少ない。コロナ禍の巣ごもり需要が落ち着きを見せているようだ。さらに昨今の原材料高騰問題など、事業者を悩ます課題は多い。
 海産物、菓子、冷凍総菜、コーヒーなど多くのジャンルにおいて、原材料の高騰が経営課題になっている。オイシックス・ラ・大地は冷凍総菜や冷凍弁当のECサイト「パッとOisix」において値上げをせず、社内努力で原材料高騰によるコスト増を吸収している。材料の調達から物流センターの運営までを自社で手掛けているため、その間の全てのフローで細かくコストカットしているという。
 海産物業界では、カニの仕入れ価格高騰に苦慮している事業者が多い。
 カニにこだわる事業者は世界中を回り、仕入れ価格が安いカニの発掘に注力している。一方で海産物に限界を感じ、カニ以外の商材を取り扱う店舗を開設する事業者も存在するなど、さまざまな対応が見られた。
 海産物EC大手の増米商店の22年8月期の通販売上高は、50億円を突破した。増減率は非公表だが、前期を超える売上高だったという。増米商店はカニにこだわった商品戦略を貫き、”カニ好き”の顧客をつなぎとめている。
 食品通販業界では、「コロナが落ち着くと利用者が減少するのではないか」と危惧する事業者も多い。原材料高騰問題に対応しながら、新規顧客をどう獲得するか、今まで以上に緻密な販売戦略が求められるだろう。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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