決済代行大手のSBペイメントサービス(SBPS、本社東京都、榛葉淳社長)は19年に入ってから、11社のECカートシステムと連携を行った。携帯電話のキャリア決済を導入したいというECサイトが増加していることが背景にあるという。ECサイトがカートを通じて、シームレスにキャリア決済を導入できるようにするため、連携を推進している。SBPSの営業推進部の長田直樹部長に、キャリア決済提供の戦略について聞いた。
─大手カートシステムとの連携の発表が続いているが目的は。
携帯電話のキャリア決済を導入したいというECサイトが、シームレスに導入できるようにするためだ。
18年4月から、カートシステムを持つ複数の企業と打ち合わせを重ねてきた。18年末までに各社とのシステム開発が進み、19年に入ってからリリースラッシュとなった。キャリア決済を導入したいというECサイトの需要を捉えることができ、カートシステムとの連携が進んだ形だ。
単品通販カートの「スマイルツールズ」、外資系企業も多く導入するカート「サイトコア」、国内大手のクラウド型ECプラットフォーム「フューチャーショップ」などと連携した。
キャリア決済はこれまで、動画配信サービスなどデジタルコンテンツ系の企業が導入するケースが多かった。最近では、物販系のEC企業からの問い合わせが急増している。
PCではなくスマホでECを利用する人が増えているからではないかと考えている。だからこそ、IDの入力が手軽に行えるキャリア決済が好まれているのではないか。
■実店舗持つ企業のメリットに
カートとの連携が進んでいるもう一つの理由としては、実店舗の決済とECの決済をまとめたいという需要があると考えている。
近年では、「OMO(オンライン マージズ ウィズ オフライン、オンラインとオフラインの融合)」という考え方が浸透してきている。オンラインも実店舗も同じ販売チャネルだという考え方だ。
ただ、加盟店の中には、店舗とECで契約の発注先が分かれているケースが多い。当社に委託してもらえれば、店舗とECを合わせた複合的な決済サービスの提案もできる。余計なコストや、業務の煩雑さを解消できるのではないか。
当社では現在、顧客の決済情報を基に、ビッグデータを活用した加盟店支援のソリューションを開発している。例えば、ビッグデータを使って不正購入を検知したりするシステムもその一つだ。顧客の購買傾向を販促に使うこともできるようになると考えている。いずれも個人情報に触れるが、国際的なセキュリティー基準に準拠した当社だからこそできるソリューションを構築できると考えている。
ビッグデータを使えば、オンラインの購買情報をオフラインのマーケティングに活用したりすることも、またはその逆も可能となるだろう。
【通販・訪販向け決済〈通販・EC〉】 インタビュー〈決済代行サービス〉SBペイメントサービス 長田直樹営業本部営業推進部部長/11カートと連携してキャリア決済提供
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