公正取引委員会/楽天の審査終了へ/「送料込」の独禁法違反被疑が解消 (2021年12月9日・16日合併号)

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 公正取引委員会(公取委)は12月6日、楽天グループ(楽天)がECモール「楽天市場」において実施している「共通の送料込みライン(送料込みライン)」について、独占禁止法(独禁法)違反被疑が解消されたとして、審査を終了すると発表した。楽天が「送料込みライン」を店舗の選択で適用対象外にできる措置を講じ、さらに公取委に提出した改善措置が疑いを解消するものと認められたためだという。
 楽天は19年1月、「送料込みライン」を「楽天市場」の店舗に導入する構想を発表した。同年12月、20年3月18日に一律に導入すると出店者に通知。公取委は同年2月28日、楽天の動きを見て、東京地方裁判所(東京地裁)に対し「送料込みライン」一律導入の緊急停止命令の申し立てを行った。
 公取委は楽天が店舗の選択により「送料込みライン」を適用対象外にできる措置を行うと発表したことを受けて、東京地裁への申し立てを取り下げた。その後、出店者の選択の任意性が確保されるか否かを見極める必要があると判断し、継続して審査を行っていた。
 楽天は公取委に対し、(1)「送料込みライン」への参加・不参加について出店者の意思を尊重する(2)不参加店舗の検索結果において表示順位を下げたり、表示しなかったりしない(3)不参加店舗の出店プランの変更を認める(4)不参加店舗の契約更新を認めず退店させるようなことはしない(5)参加店舗を著しく優遇し不参加店舗の事業活動の継続を困難にさせることはしない─などの改善措置の申し出を行った。
 公取委は改善措置の内容を検討し、独禁法違反の疑いを解消するものと認めた。さらに、楽天が改善措置を実施したことを確認した上で、審査を終了することにしたという。
 楽天は、「現在『楽天市場』の約92%の店舗が『送料込みライン』に参加している(21年11月時点)。施策の開始後、送料の分かりやすさに関するユーザー満足度は大きく改善している。当社は本施策を『楽天市場』や出店店舗の継続的な成長を実現する重要施策であると捉えており、店舗には今後も丁寧な説明を行っていく」とコメントしている。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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