OTC医薬品の卸事業や、健康食品の通販事業を手掛けてきた武田コンシューマーヘルスケア(本社東京都)は3月31日、社名を「アリナミン製薬株式会社」に改めた。同日付でアリナミン製薬の社長に就任した本多英司氏は、4月1日に開かれたオンライン記者会見で、通販事業を再構築し、「プッシュ型」の新商品を投入する方針を発表した。
旧親会社の武田薬品工業では3月31日付で、米投資ファンドのブラックストーン・グループが運用する投資ファンド「プライベート・エクイティ・ファンド」に、武田コンシューマーヘルスケアの株式を譲渡した。このことが、アリナミン製薬の誕生につながった。
武田コンシューマーヘルスケアはこれまで、「タケダのユーグレナ 緑の習慣」などの健康食品の通販を展開してきた。アリナミン製薬では売上高を明らかにしていないが、20年3月期の武田コンシューマーヘルスケアの通販売上高は約30億円とみられる。通販売上高のほとんどが「緑の習慣」によるものだったとしている。同社の通販売上高に占める、オフライン通販の割合は7割、ECが3割だという。
アリナミン製薬では今後、健康食品通販事業で、「予防・未病」を念頭に置いた新商品の開発を進めていくという。睡眠や疲れの状態をデジタルデバイスで計測し、健康食品の開発につなげていくことを検討している。社名変更前の武田コンシューマーヘルスケアの健康食品通販事業はここ数年、微減収が続いていたという。「幅広い領域の新商品を投入することで、再び成長軌道に乗せたい」(アリナミン製薬広報)と話している。
「タケダのユーグレナ 緑の習慣」の商品名については、21年3月期中に「石垣島のユーグレナ 緑の習慣」に改めるという。
アリナミン製薬/「通販を再構築」/新会社設立会見で本多社長が方針
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