【無店舗販売化粧品 14年度売上高調査】 上位50社合計7615億円/実質成長率1.0%減 通販堅調も訪販は苦戦

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 日本流通産業新聞は6月、通販会社と訪販会社を対象に2014年度の化粧品売上高を調査した。上位50社の合計売上高は7615億円。前回調査と比較可能な45社の実質成長率は前年度比1・0%減だった。マイナス成長は3年ぶり。通販業界は比較的堅調だった一方、訪販は消費増税の影響などで減収が目立った。(通販・訪販の売上高ランキングは2・3面に掲載)

 無店舗化粧品市場は本紙が調査を開始した05年度以降、訪販の縮小を通販の拡大が補う形で成長してきた。14年度の通販市場はわずかながら拡大、訪販は大手を中心に減収が相次ぎ市場規模が縮小した。
 訪販市場が縮小した背景には、消費増税後の需要減退という特殊要因に加え、高価格帯化粧品を取り巻く厳しい市場環境がある。
 経済産業省の「化学工業統計」によると、14年における化粧品の平均単価は国内出荷額ベースで511円。07年と比べて11・9%低下した。高級化粧品を中心に扱う訪販会社は、ネット通販や”コンビニコスメ”などの台頭で苦戦を強いられている。


販路の垣根は曖昧に

 通販を取り巻く事業環境も決して楽ではない。異業種の新規参入が相次ぎ、競争環境は激しさを増している。
 14年度は日本水産やトウ・キユーピーといった大手メーカーの参入が相次いだ。資生堂やコーセーなど、店舗系ブランドによる通販も今や珍しくない。
 一方、通販会社はリアルへの進出を虎視眈々(たんたん)と狙っている。ディーエイチシーやオルビスなど大手を中心に直営店を増やしているほか、ファンケルはセブン&アイホールディングスと共同で化粧品ブランドを立ち上げて新たな販路を開拓した。
 化粧品業界は業態を問わず、「化粧品の価格帯や特徴によってチャネルを使い分けていく時代」(大手化粧品通販の社長)を迎えている。
 訪販業界でも販路の融合が目立ち始めた。ポーラやノエビアがサロン事業に業態転換を図っているほか、ナリス化粧品やオッペン化粧品も直営サロンを開設している。
 国内化粧品市場は約2兆円とされ、直近20年間はほぼ横ばいで推移してきた。各社が限られたパイを奪い合っているのが実情であり、今後も販売チャネルの垣根を超えた戦いが続きそうだ。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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