〈顧客満足度指数調査〉上位50に通販が最多/顧客ニーズの高度化で数は減少

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2014年度顧客満足度指数調査 全32業種408企業(ブランド)のトップ50に入った通販企業

2014年度顧客満足度指数調査 全32業種408企業(ブランド)のトップ50に入った通販企業

 サービス産業生産性協議会(事務局東京都、秋草直之代表幹事)は4月20日、「日本版顧客満足度指数(JCSI)」の年間結果を発表した。調査した32業種、408の企業やブランドのトップ50に通販企業が8社入った。通販がどの業種よりも多い結果となっている。ただ、上位50社に占める通販企業数は11年度が12社、12年度が10社、13年度が9社と減少の傾向にある。協議会では、通販顧客が求めるサービスの質が高度化、多様化していることが要因と分析している。

配送など求めるサービスは多様化

 「JCSI」はサービスを利用する際に顧客が感じる満足度を数値化する調査で、09年から実施している。14年度は通販、旅行、宅配便、飲食、エンターテインメントなど32業種を取りまとめた。
 調査はインターネットモニターを用いている。通販はモニターが特定の企業で半年間に2回以上買い物をしたことがある場合にアンケートに答えてもらった。モニター数が300人以上になった企業を調査対象とした。
 顧客満足度指数を数値化するため(1)顧客期待(利用前に持っている期待や予想)(2)知覚品質(品質への評価)(3)知覚価値(サービスの品質と価格を対比して感じる納得感やコストパフォーマンス)(4)顧客満足(利用して感じた満足の度合い)(5)推奨意向(知人にサービスを好ましい話題として話すか)(6)ロイヤルティー(今後も利用し続けたいか)─の六つの指標に対していくつかの設問に答える。
 このほか、満足・不満足の原因分析などに活用するために、サービスに対する感動や失望などの感情評価項目も設けている。
 通販企業の顧客満足度指数は毎年、全業種の上位50社のうち、ほかの業種より多数を占める傾向にある。今回は「オルビス」「ヨドバシ.com」「FANCL online」など8社がランクインした。
 しかし、上位に占める通販企業数は年々減少している。
 調査対象の企業数が変動していることや、通販企業の中でも顧客満足度指数を年々向上させている企業もあるため、一概には通販のサービスが低下しているとは言えない。上位に通販企業が減っていることについて、「通販顧客の求めるサービスがより一層高度化していることが一つの要因」(サービス産業生産性協議会)と分析している。
 もともと対面で接客できない点が店舗よりも厳しく評価されやすい側面もある。その上で最近は、接客の質やサイトのユーザビリティーだけでなく、配送スピードや商品の受取場所の多様化など、通販顧客が満足に感じるサービスレベルはより高度になっているととらえている。

(続きは本紙4月23日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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