窓用フィルムメーカーの翠光トップライン(本社東京都、上条昌輝社長)と、販売子会社のジェイトップライン(本社東京都、上条昌輝社長)は3月18日、消費者庁が両社に出した、景品表示法違反に基づく措置命令を不服とし、処分の取り消しと3億円の損害賠償を求める行政訴訟を起こした。原告は、JIS規格などの基準に準じない自社の独自技術に対して、消費者庁が適切な評価をしていないと批判している。さらに、消費者庁からの求めに応じて表示の根拠となる資料を提出した後、説明の機会も与えられず、一方的に措置命令が出されたことも問題視している。
JIS規格重視が不満
消費者庁は15年2月、窓ガラスにフィルムを張るだけで断熱効果があるとの宣伝に根拠がないとして、翠光トップラインとジェイトップラインに対し、景品表示法違反(優良誤認)に基づき再発防止を求める措置命令を行った。
訴状によると、原告はホームページなどで窓用フィルム「シーグフィルム」を「夏は窓ガラスから入る熱の40~50%、冬は逃げる熱の20~30%を削減」などと宣伝していた。原告は消費者庁の求めに応じて第三者機関による実験などの資料を提出したが、消費者庁は「合理的な裏付けがない」と判断したという。
原告は、消費者庁が窓用フィルムの断熱効果に対して「根拠なし」と判断したことを不服としている。当該製品が断熱効果を有することは、その発明が特許登録されていることや、外部調査機関3団体による実証結果があることから、疑いようのない事実だと主張している。
原告はさらに、消費者庁はすでに存在するJIS規格などの基準を過度に重視しており、その基準とは異なるメカニズムを有する独自技術を適切に評価できていないと指摘している。
原告によると、「窓用フィルム業界では、JIS規格に準じていても合理的根拠があるのか疑わしい表示が蔓延している」と言う。原告は消費者庁がそれらの表示を野放しにしている姿勢にも不満を訴えている。
(続きは本紙4月16日号で)
【ニュースの深層】□□51 〈景表法の措置命令に対する取消訴訟〉/消費者庁の独自技術に対する評価姿勢を批判
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