スクロール 19年4―9月期/営業利益14.2%増/通販の粗利改善、EC増収で

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 スクロールが10月30日に発表した19年4―9月期(中間期)の連結業績は、営業利益が前年同期比14.2%増となる16億3100万円だった。通販事業における売上総利益率が改善したことに加え、eコマース事業におけるプライベートブランド(PB=自主企画)商品の売り上げ増加が増益要因となった。
 売上高は前年同期比4.2%増の379億400万円だった。セグメント別では、主力となる「通販事業」の売上高が同4.9%増の186億8300万円。「eコマース事業」の売上高は同6.6%増の100億800万円。「ソリューション事業」の売上高は同14.5%増の70億8800万円だった。
 「通販事業」のセグメント利益は同9.0%増の14億9300万円を計上。セグメント利益の増加は同事業における売上総利益率が改善したためだ。衣料品の生産拠点を、東南アジア諸国連合(ASEAN)各国にシフトしたことで、原価率を抑えたことが寄与している。
 さらに今春にはカタログなどの紙代が値上がりし、「キロ当たり20%ぐらいアップした」(鶴見知久社長)。しかし、輸入紙の比率を高めたり、紙の質を見直したりすることで、アップ率よりコスト上昇の影響を抑制したことも増益につながった。
 「eコマース事業」では、アウトドア用品のECを展開する連結子会社、ナチュラムのPB商品「Hilander(ハイランダー)」に対する受注が順調に推移した。このほか、スクロールR&D、AXESの業績も順調だった。
 全体の売上総利益率は35.9%となり、前年同期比0.4ポイント悪化。販管費自体は前年同期比1.9%増加したが、売上高販管費率は同0.8ポイントの改善となっている。
 「通販事業」とともに「eコマース事業」のセグメント利益も、同80.1%増の2億1700万円を計上。経常利益は同20.9%増となる17億2100万円だった。
 連結子会社のキナリと、もしもが創出する将来のキャッシュフローを見積もった結果、のれんの未償却残高のすべてと、両社が保有するソフトウエア資産の一部を減損処理することに決定。
 これに伴い、キナリが1億5500万円、もしもが6億2200万円の合計7億8800万円を特別損失として計上した。この影響で四半期純利益は前年同期比49.8%減の4億4600万円となった。
 通期の業績予想は、売上高が前期比5.4%増の750億円、営業利益は同11.9%増の19億円、経常利益は同41.3%増の20億円、当期純利益は同20.8%減の5億円を見込んでいる。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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