消費者庁/モノなし投資に注意喚起/3年弱で5000人から31億円売上げ

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LED高速通信がセミナーで配布していた資料

 消費者庁は9月27日、特許権を取得した通信機器で収益を得られるなどとして投資を募っているLED高速通信(本社東京都、石塚清憲社長)について、不実告知などの違法行為を確認、消費者安全法に基づき社名を公表し、被害拡大の防止を目的に注意喚起を行った。
 同社は、実際には通信機器の特許を取得していないにもかかわらず、「機器を購入してくれれば配当が出せる」などとうたい、商品がない状態で投資を募っていたという。16年11月から19年9月までの3年弱で、5000人から31億円を集めたとしている。
 消費者庁によると、LED高速通信は、「LEDの光を利用することにより、無線LANに代わる新たな通信ができる」などとして、全国でセミナーを開催。同社は、LED照明機器を税込32万4000円で販売する契約を、セミナーに来場した消費者と結んでいた。
 消費者が購入したLED照明機器は、別の会社に取り扱いを委託し、機器の貸し出しによって得た収益を、契約者に分配すると説明していたという。貸し出した機器は劇場や道路、デパートなどで使われるとしていた。貸出利益の分配対象である加盟店として登録するためには、加盟店協力金として21万6000円を同社に支払う契約を結ぶ必要があった。
 実際には、LED高速通信は、LED照明機器を一台も製造しておらず、企業への販売やレンタル契約についても、具体的な事業計画が策定されていなかったという。
 消費者庁によると、19年9月27日時点で同社は、契約者に対しては、数回にわたって月に1万~2万円の支払いをしているという。ただ、新たに契約を結ぶことで得た収益を分配に回す自転車操業状態だと指摘している。
 17年4月から19年8月までの2年5カ月で、同社に対する相談件数は64件だったとしている。現時点で相談件数は多くないが、将来的に多くの消費者被害を生む可能性が高いことから、事業者名の公表に至ったとしている。
 特定商取引法に基づく行政処分を行うかどうかについて、消費者庁の取引対策課は、「今回は、消費者安全法に基づく注意喚起であり、特商法を適用するかについてはコメントを差し控える」としている。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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