ワコール/米インナー企業を買収/EC市場の成長機会創出

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 ワコールは7月30日、女性用インナーウエアの企画・販売を手掛けるIntimates Online(IO、本社米国、ミシェル・コルデオ・グラントCEO)を買収すると発表した。連結子会社のWacol International Corp(WIC、本社米国、川西啓介社長)を通じてIOが保有する発行済み株式すべてを取得する。子会社化によりミレニアル世代を新たな顧客として取り込み、EC市場における成長機会を創出するのが目的。
 契約締結日は米国時間で7月30日。取得価額は91億8000万円。当該取得額に加え業績達成度合いに応じて、条件付取得対価を支払う予定となっている。株式取得は同8月2日の予定。
 IOの18年12月期における売上高は前期比116.2%増の12億4100万円。17年12月期の売上高は5億7400万円で、急成長している。18年12月期の営業損失は3億9800万円で、当期損失は4億300万円だった。
 IOは米国で、女性用インナーウエアブランド「LIVELY(ライブリー)」を展開。自社ECサイトを主たる販路としている。
 商品開発から販売までを自社で担い、顧客とともにブランドを共創するデジタル・ネーティブ・ヴァーティカル・ブランド(DNVB)企業。「事業を通じて自立する女性とその活動を支援すること」を企業理念として掲げ、SNSを通して理念に共感した顧客のコミュニティーを形成するなど、独自のデジタルマーケティングを強みとしている。
 米国においてDNVBはミレニアル世代からの支持が高い。買収により、ワコールは顧客年齢層をミレニアム世代にまで拡大させる狙い。
 デジタルマーケティングの手法を獲得し、EC事業を成長および売り上げの向上を図る。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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