〈独立系インテリアEC企業〉 2桁以上の増収相次ぐ/オムニ・メディア・動画で成長

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 2桁以上の増収を遂げる企業が相次ぐなど、独立系インテリアEC企業の躍進が目立っている。オリジナル家具を店舗やECで販売するミサワ(本社東京都)の19年1月期の全社売上高は前期比10.8%増の101億8600万円となった。通販は、売上高の10%を占めるまでになっている。家具インテリア通販のフレーバー(本社京都府)も、18年9月期の売上高が前期比20%増となった。寝具・インテリアのECを展開するkoala sleep japan(コアラスリープジャパン、本社東京都)の18年10月―19年3月期(第2四半期)の売上高については前年同期比54.7%増となっている。ミサワは「オムニチャネル化」が、フレーバーは「オウンドメディア」が、コアラスリープジャパンは「動画訴求」が、それぞれ成長のキーワードとなった。手法はまちまちだが、顧客に対する新しい訴求方法を追求したことが、増収につながっているようだ。

■可能な限りの連携

 インテリア商品を販売するECサイト「unico(ウニコ)」を運営するミサワの19年1月期業績は、実店舗とリアルの連携を重視したオムニチャネル施策が奏功し、2桁増収を確保した。具体的には、「店舗とネットでの連携キャンペーン」を実施した。新商品発表時の店頭販促などについても、店頭とネットでビジュアルをそろえるなど、可能な限りネットとの連携を図ったという。「ネットと店頭で、双方に共通した体験をお客さまが得られるように心掛けた」(ECリーダー・大久保健吾氏)と話す。
 同社は、全国に実店舗を50店舗展開。ECと店舗で違いを出すのではなく、実店舗に来店できなかった顧客が、店舗と同様の体験をECで得られるようにした。実店舗には、同社が提案するインテリアのコーディネート例が並べられている。来店者にとってはその視覚が一つの体験となる。その体験の輪を広げるため、ECサイトにも、インテリアの「コーディネート」系の写真を多く掲載するようにした。実店舗同様の視覚体験をサイトのユーザーが得られるようにしたのだ。
 コーディネート写真としては、同社のスタッフがインテリアを配した自宅の写真などもアップしている。訴求には、インスタグラムも活用。同社の商品の利用者に「#unico_fan(ウニコファン)」のタグをつけてインテリアの実例を投稿してもらっている。「豪邸の中のインテリアなどでなく、より身近に感じられる、利用者が手に届く範囲のコーディネートを紹介するのがポイント」(同)と話す。
 実店舗で扱っている商品数は100品目前後だが、ECでは、一つの商品について色違いやサイズ違いなどのバリエーションを増やすなどして、差別化を図っている。


■メディアで信頼向上

 フレーバーが運営するECサイト「Re:CENO(リセノ)」は、インテリアのコーディネートが勉強できる自社オウンドメディア「Re:CENO Mag(リセノマグ)」の展開が、拡販につながっている。「オリジナル・別注家具によって製品の差別化はできている。裏づけとしてオウンドメディアによる信頼度の訴求が機能し、増収につながった」(山本社長)と話す。同社の18年9月期の売上高は前期比20%増となった。

(続きは、「日本流通産業新聞」6月6日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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