〈広告適正基準〉 口頭表示も厳しく監視に/業界団体のガイドラインで表現範囲が明確に

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む
日本ホームヘルス機器協会が開催した適正広告基準の講習会の様子

日本ホームヘルス機器協会が開催した適正広告基準の講習会の様子

 厚生労働省が、17年9月に「医薬品等適正広告基準」を改定・施行するなど、不適正な広告表現に対する規制強化に動いている。医薬品だけでなく医薬部外品、化粧品、医療機器も規制対象だ。例えば、改定後の基準では、化粧品の広告について、「使用感を過剰に訴求する表現」などをNGとした。広告基準の改定に伴い、口頭表示も含めて、都道府県の薬務課が行う監視指導が厳しくなってきているという声も多く聞かれるようになっている。今後予定されている、薬機法への課徴金導入までを含めて考えると、広告に対する規制は今後さらに強化されていきそうだ。医療機器や化粧品の業界団体では、事業者支援のため、適正広告基準に準拠したガイドライン作りを進めている。業界団体が当局と協議しつつガイドラインの策定を進めた結果、表示・表現ができる範囲がかえって広がった事例もあるようだ。

■学会の推薦もNGに

 厚生労働省では17年9月27日に、虚偽・誇大広告の適正化を図るため、「医薬品等適正広告基準」を改定した。適正広告基準の改定では、(1)効果効能等を誤認させるもの(2)過量消費・乱用助長につながるもの(3)品位を損なう内容のもの(4)科学的根拠に乏しいもの─に該当する広告表示に対して、監視指導を強化する方向を示している。
 具体的には、「写真について、安全性の保証表現となるものは認められない」「使用感のみを特に強調する広告は、行わないこと」「薬局や学会を含む団体が指定し、公認し、推薦し、指導し、選用している等の広告を行ってはならない」などの例示を追加している。
 「写真の保証表現」についても改定。これまでは、いわゆる”ビフォーアフター写真”の使用はNGで、商品の使用中や使用方法を説明する写真は使用可能だったが、改定後は、過度な効果効能を訴求する内容でなければ、”ビフォーアフター写真”を使用することが可能になった。逆に、使用中の写真であっても、効果効能を訴求する内容であれば、使用はNGとなった。
 「使用感」についても、「本来の使用目的を誤認される可能性があれば不可」としており、例えば目薬で言えば、「爽快感が強くて眠気覚ましに使っている」などといった表現はNGであることを例示している。
 適正広告基準の改正によって、表示内容を大きく変えざるをえなくなった、化粧品・医療機器の販売事業者は多いという。化粧品の通販のコンサルタントも「18年中は、チラシや、ECサイトのランディングページの書き換えなどに追われる化粧品企業が多かった」と話している。


■広告規制の運用が顕著に

 (一社)日本ホームヘルス機器協会や日本化粧品工業連合会(日粧工)では、厚労省や都道府県の薬務課の広告表示の取り締まりが昨年の9月以降厳しくなっているという見方を示している。

(続きは、「日本流通産業新聞」11月22日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

Page Topへ