ポーラ/優れた企画は水平展開も/地域との関わりをPRするイベント開催

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「うつくしくはたらくプロジェクト プレゼン大会」の様子

「うつくしくはたらくプロジェクト プレゼン大会」の様子

 先駆的なシワ改善の薬用化粧品の大ヒットで世間を驚かせたポーラが、販売・ブランディング戦略においても、ユニークな取り組みを開始している。ポーラの各地の拠点の社員らが考案した、優秀な販売施策をポーラ本社が表彰するイベント「うつくしくはたらくプロジェクト プレゼン大会」がそれだ。18年3月に第1回を実施、18年9月には2回目を開催した。優秀なアイデアには、「特別な予算」を支給するという。「特別な予算」に明確な上限は設けられておらず、「数百万円になることもある」と言う。一部の地域で実践されている優れた取り組みを全国的に水平展開することによって、全国的な販売組織の底上げと、ブランディングのさらなる強化を図る狙いがある。本紙はこのほど、第2回イベントを独占取材する機会を得た。

■優秀な企画に特別予算

 同イベントでは、国内の各地域のセンター(販売員を統括する拠点)のスタッフが、増客や、販売員の増員、ポーラのブランド価値向上につながる企画を、ポーラの役員らの前でプレゼンする。地域の販売組織のトップのオーナーと共同で、企画をプレゼンしたセンターもある。
 優秀な企画を選考する基準としては、(1)地域との共創(※)(2)ポーラのブランディング価値の向上(3)販売員として優秀な人材のリクルート─の三つにつながる内容であることを挙げている。優秀な企画内容が認められたセンターは、企画を継続的に実現していくための「特別な予算」を獲得できる。同社によると、「常識の範囲内」であれば、予算に上限は設けていないとしている。選考された地域限定の、ポーラのPR動画も制作される。
 企画の選考には、横手喜一社長のほか、及川美紀取締役やポーラの各部門長が参加した。


■子供がポーラの仕事を体験

 9月11日に開催されたプレゼン大会では、ポーラの25カ所のセンターの内、一次審査を通過した9カ所のセンターが参加。それぞれ、地域との関わり方や、ポーラをPRしていくための企画などを披露した。
 グランプリを受賞した埼玉センターは、ポーラの仕事を、BDや顧客の子供が体験できるプログラムを開発し、実際に日々の集客活動などに取り入れていることをアピールした。埼玉センターでは普段、商業施設などの集客ブースに訪れた家族連れの子供に、ポーラのBDが行うハンドマッサージやメークなどを体験してもらっているという。家族でポーラを知り、体験を共有することを通して、ポーラの好感度を高め、BDの仕事にも魅力を感じてもらうのが目的だという。
 準グランプリの西九州センターは、これまで、新聞社と提携し、高校・大学生向けの専用就活雑誌にBDのリクルート情報を掲載してきた。県が主催する就活イベントにもメーキャップ講習やマナーレッスンなどを通して参画。イベントではこうした取り組みをアピールした。県や新聞社、テレビ局などと多面的に提携していくことで、就職、転職、子育てなど、それぞれのライフステージを生きる女性との接点を持つことができると主張。ポーラのBDが、メディアミックスを活用していくことで、BD自身が「うつくしくはたらく」というメッセージを自主的に発信していくことができるとしている。
 表彰には至らなかったものの、青森センターのプレゼンも、役員らから高評価を得ていた。

(続きは、「日本流通産業新聞」9月20日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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