【進むチャット導入】 接客力で顧客獲得/問い合わせメールの減少も

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む
旭産業は自社サイト内に有人対応のチャットシステムを導入している

旭産業は自社サイト内に有人対応のチャットシステムを導入している

 ECサイトにチャット接客機能を導入する通販事業者が増えている。ユニクロは7月11日、人工知能(AI)がチャットで商品を提案し、ネットからの購入につなげるサービスを開始した。楽天も7月17日、「楽天市場」の全店にチャット機能を導入すると発表した。気軽に質問できる窓口として利用されており、ユニフォーム通販の旭産業は、チャットによる問い合わせ件数の2〜3割を購買つなげている。島村楽器では機能導入後、メールの問い合わせが最大30%減少した。ネットでも実店舗同様、接客力が試されている。

 ユニクロ(本社山口県、柳井正社長)が始めたサービス「UNIQLO IQ(ユニクロ・アイキュー)」は、AIがお薦めの商品をスマホアプリ内で提案するもの。自動応答によるチャットで利用者とやり取りし、顧客が気に入った商品は、アプリ内で購入できるようにしている。
 楽天は9月下旬までに、「楽天市場」の全店舗にチャット機能「R—Chat(アールチャット)」を導入する。今後、出店者のチャットによる接客が、ショップの評価、他社との差別化のポイントになることは想像に難くない。


■手軽さに定評

 チャット接客の利点は手軽さにある。電話やメールの問い合わせに、ハードルや面倒臭さを感じる顧客も少なくない。
 ビックカメラは17年8月から、法人向けのECサイトにチャット接客システムを導入している。チャットによる問い合わせには2〜3人のオペレーターが対応。1日に30〜50人の顧客とやり取りしている。
 「質問へのハードルが下がり、お客さまとコンタクトする機会が増加した」(広報・IR部)と話す。
 インナー通販のピーチ・ジョン(本社東京都、上野顕之社長)は3月、自動応答型のチャット機能を導入した。チャットを経由した問い合わせ件数は、平均して1日100件弱となっている。
 「問い合わせ件数は徐々に増えている。特に10〜20代前半の若いお客さまは、電話での問い合わせにハードルを感じる場合があり、チャットは手軽な窓口になっている」(コミュニケーションデザイン部)と導入効果を説明する。
 楽器を実店舗とECで販売する島村楽器(本社東京都、廣瀬利明社長)は、人による対応と自動返答を使い分けている。機能導入後、メールからの問い合わせ件数は20〜30%減少した。

(続きは、「日本流通産業新聞」7月26日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

Page Topへ