ベルーナ/呉服のさが美を買収/和装関連事業の拡大狙う

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 ベルーナは5月7日、呉服販売のさが美グループホールディングス(さが美GHD)を買収すると発表した。さが美GHDの全株式を取得し、完全子会社化を狙う。全株式を取得した場合の買い付け代金は59億4100万円。ベルーナの子会社で、和装関連商品を店舗販売するBANKANわものや(本社埼玉県、形部幸裕社長)とノウハウを共有し、和装関連事業の業容拡大を狙う。
 投資会社のアスパラントグループが運営するAG2号投資事業有限責任組合が、さが美GHDの筆頭株主で持ち株比率は53.86%。ベルーナはAG2と5月7日付で公開買付応募契約を締結しており、公開買い付けについて合意を得ている。
 株式の買い付け期間は5月8日から6月18日まで。普通株式1株につき150円で買い付ける。買い付け予定株式数は3961万2007株。買い付け予定数の下限は2199万4126株で、この場合の買い付け価額は約33億円となる。
 BANKANわものやは着物・和雑貨の小売りを手掛けており、創業以来連増収を達成。17年3月期の店舗数は72店舗で、売上高は72億6000万円だった。
 ただ、呉服・着物市場は年々規模が縮小。ベルーナにとっては今後の和装関連事業の拡大が課題となっており、子会社と相互補完が期待できる和装関連事業者の買収の可能性を模索していた。
 さが美GHDはユニーの呉服部門が分離して「株式会社さが美」として営業を開始。その後、持ち株会社体制に移行し現在の社名に変更した。現在、「さが美」を118店舗、「東京ますいわ屋」を42店舗のほか展示販売を展開している。
 さが美GHDの18年2月期連結決算は、売上高159億5500万円、営業損失6500万円、経常損失4200万円、当期損失は1億9300万円だった。
 ベルーナは過去に「カレーム事業」の名称で、呉服の展示販売事業を手掛けていた。しかし、08年7月、経済産業省から特定商取引法違反で業務停止命令を受けた。業務停止命令直前の同年6月、同事業から撤退した経緯がある。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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