訪問販売協会世界連盟(WFDSA、本部米国ワシントン)は、10月1日から3日間、「オウン・ザ・フューチャー(未来を私のものに)」をテーマに、第15回世界大会をフランス・パリで開催した。50カ国を超える国と地域の訪問販売協会、会員企業、メーカーなどから約500人が出席した。今大会でWFDSAの会長がアムウェイコーポレーション社長のダグ・デヴォス氏からスウェーデン・オリフレームのマグナス・ブランストロム社長に交代した。大会ではIT分野の有識者などがSNS活用によって業界に明るい将来性をもたらすと分析した。前回大会(ブラジル)でも「SNSの活用による新規登録の拡大」をテーマにしており、その流れを踏襲するものとなった。
大会ではアムウェイコーポレーション社長のダグ・デヴォス氏はWFDSAの会長を退き、代わって化粧品販売を行うオリフレーム社のマグナス・ブランストロム社長が会長に就任した。デヴォス前会長は副会長としてWFDSAの運営を継続して担っていく。
デヴォス前会長は、消費者保護の強化と、各国の訪問販売協会の結束を訴えた。デヴォス氏は「全世界の訪問販売協会と企業が一体化して、行政との良好な関係を維持していこう。そのためには勧誘時の倫理基準の高さが求められる。法律以上のハイレベルで整えていこう。私達は何のためにビジネスをしているのか、どうあるべきなのかを絶えず自らに問うことが必要だ」と述べた。
また、新会長に就任した化粧品でネットワークビジネスを展開するスウェーデン・オリフレームのマグナス・ブランストロム社長が今後の抱負とダイレクト・セリングの将来性について講演した。
世界大会では、アムウェイ、オリフレーム、エイボン、ナチュラ、キャプテントーチューなど大手企業のトップによるパネルディスカッションを開催。80~90年生まれの世代とダイレクト・セリングの関係を分析したセミナーや、ITによる流通と消費の変化をテーマにしたセミナー、IT技術活用によるダイレクト・セリングの手法の変化などをテーマにした分科会を開催した。
そのなかで、パリのパスツール研究所で勤務した生物学者のジョエル・ドゥ・ロズネイ氏は「ダイレクト・セリングにおけるIT手段の将来」と題して講演。SNSの活用によって、若年層の参加者を拡大するだけでなく、健康なエイジングを求めるシニア層のグループを広げる、極めて有効な手段になっていくことを解説した。ロズネイ氏は「スピーチを文書で即時に要約するソフトの開発、言語翻訳をスピーディーに行うソフトの開発など、企業の勧誘活動を後押しする技術を活用すべきだ」とも語った。
大会ではそのほか、世界で初めて太陽光エネルギーだけで世界一周飛行を行った冒険家バートランド・ピカード氏、ピエール・ガッタズ氏(フランス電気団体総裁)、フィリップ・ジャクエリネット氏(キャプテントーチュー会長、大会運営委員長)なども登壇した。
同世界大会は3年ごとの開催で次回はタイ・バンコクで開催される。
WFDSA/IT活用による市場拡大を予測/50カ国超の代表集め仏で大会
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