丸八ホールディングスは4月の上場以降、経営の安定化に向け、訪販を軸とした組織再編を進めている。8月25日には、毛皮製品の卸売部門の全株式売却を正式に決定、訪販への純化路線を改めて内外に示した。訪販部門については、今後2年をかけて販売会社にエリア制を段階的に導入し、既存顧客に対する営業を強化する方針だという。訪販を軸に、景気に左右されない収益モデルの構築を図っている。
毛皮製品の卸売事業は、子会社のG L BOWRON & CO LIMITED(ボーロン社)が担当していた。丸八ホールディングスは8月25日、ボーロン社の全株式を、毛皮の仕入れ元の関連会社に譲渡することを決定した。
株式譲渡の要因は、ボーロン社の経営の不安定さにあるという。ボーロン社の主要な取引先はイケア。16年3月期の丸八ホールディングスの連結売上高221億4760万円のうち、イケア向けの卸事業の売上高が43億円を占めていた。ただ、イケアとは単年契約で、卸値は毎年更新される。毎年の値下げ圧力や失注リスクを理由として毛皮卸売事業からの撤退を決めたという。
同社は今後、比較的安定した収益を見込める訪販にさらに力を注いでいくことになる。訪販部門においては、既存顧客の重視を鮮明にする。傘下の販売会社・営業マンごとに担当エリアを設定することにより、既存顧客への営業強化を図っていく。
(続きは、「日本流通産業新聞」9月8日号で)
丸八HD/上場から5カ月、組織再編進む/訪販軸に安定経営目指す
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