【防災用品通販の販売戦略】”災害前”の訴求が鍵/若年層向けギフトやコラボで周知も(2025年3月13日号)

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LA・PITA ECサイト管理部・田中克昌氏

LA・PITA ECサイト管理部・田中克昌氏

 災害大国の日本で、防災用品は必需品だといえる。防災用品には非常食や衛生用品など数多くのジャンルがあるため、防災専門店だけでなく総合通販、アパレルや食品など各ジャンルの事業者が参入している。自治体や企業(BtoB)は定期的に大量に購入するが、個人(BtoC)は災害報道の影響を強く受けるため、需要の波が大きい。防災用品のBtoC販売においては、災害が起こり、危機意識が高まる前から、いかに消費者に商品について知ってもらえるかが鍵を握る。販売各社は、情報発信などの啓蒙、普段使いもできる商品の提案、若年層をメインターゲットにギフトやコラボレーションに取り組むなど工夫している。防災用品の通販やECを運営する専門店、総合通販などに防災用品の販売戦略を聞いた。

 富士経済グループによると、24年度の防災食品(備蓄を想定し3年以上の保存ができる点を訴求している食品)の国内市場規模は前年比21.4%増の261億円を見込んでいる。25年度は256億円と予測している。
 「商品や価格を比較しやすいオンラインでの購入が主流となっている。試食機会が限られることから、レビューなどを参考にしているユーザーが多い」(担当者)と分析した。
 EC業界では、大都、エレコム、MonotaROなどが防災関連品の売り上げが好調だったとしている。


■コラボで若年層に訴求

 防災用品は災害発生時にニーズが一番高まる。今回取材した企業も、能登半島地震が発生した24年1月と、南海トラフ地震に関する報道が相次いだ同8月に注文が殺到したという。
 災害が発生し、防災用品のニーズが高まる前に商品の認知や信用を獲得することで、購入の機会を最大化することができる。販売各社はターゲットに応じた販売戦略で、災害が発生する前の”日常”で商品を知ってもらったり、手に取ってもらう取り組みに注力している。
 防災用品のECサイト「at RESCUE(アットレスキュー)」などを展開するLA・PITA(ラピタ、本社三重県、澤直樹代表)は、人気の漫画やゲームとコラボレーションを積極的に展開し、若年層や防災意識の薄い層にも防災用品を身近なものとしている。
 「購入者から『災害時に役立った』といった声がSNSで拡散されるなど、影響力のある訴求ができた。まだ防災用品を備えていない人へアプローチし、防災意識を高めることを目指している」(ECサイト管理部・田中克昌氏)と説明した。
 防災用品ならではの「買って満足してしまう」「気付いたら賞味期限切れになっている」といった課題に対し、自社開発のアプリで防災用品の管理と継続的な備えを支援している。防災備蓄管理アプリ「ソナエリスト」は、備蓄品の保管場所と数量の管理、消費期限が近づくと通知する機能がある。25年3月時点で、個人や企業の3万人以上が登録しているという。
 長期備蓄食料品などをそろえるECサイト「セイショップ」を運営するセイエンタプライズ(本社東京都、平井雅也代表)では、オウンドメディアやメルマガで防災意識を高める啓蒙に取り組んでいる。

(続きは、「日本流通産業新聞 3月13日号で)

LA・PITAの「ラピタスマート防災セット」

LA・PITAの「ラピタスマート防災セット」

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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