太陽光発電や蓄電池といった再生可能エネルギーに関連した市場変化は、住設訪販業界に影響を及ぼしそうだ。経済産業省が進める「調達価格委員会」では、固定価格買取制度(FIT)による調達価格を一定の間は引き上げる案が上がり、実現すれば需要拡大につながる可能性がある。事業者側ではECに力を入れる家電メーカーが家庭用蓄電池を開発し、市場に新規参入した。既存の住設訪販各社がこうした動きを今は静観しているのは、過去の経験があるためだ。
■FIT買取額は24円に
経産省が1月30日に行った「第102回調達価格委員会」は、2026年度の事業用と住宅用のFIT調達(買取)価格の案を公表した。
屋根に設置する太陽光発電が10キロワットを超える場合、26年度の買取価格を1時間あたり1キロワットで19円とし、前年から7・5円上乗せした。10キロワット未満の住宅用は15円から24円に引き上げた。
FIT調達価格の見直しは、10キロワット以上の事業用太陽光発電の利用促進や、投資回収の早期化などを目的としており、住宅用も同時に見直しが進んだ形となる。
26年度以降のFIT調達価格は2段階の投資回収フェーズをもとにした「初期投資支援スキーム」で進められ、設置後の5年で価格を引き上げ、それ以降は価格を下げる仕組みとなる。
例えば、屋根設置の10キロワット以上なら5年間は19円、6年目から20年まで8・3円とする。10キロワット未満の住宅用太陽光発電は期間を4年間とし、24円から8・3円に変えていく方針を示した。
今回の調達価格委員会では「再生可能エネルギーの自立化」について協議が行われた。
FIT制度は、導入拡大によるスケールメリットを発揮させてコストダウンを目指す制度。将来的にこの制度がなくても新たな発電源となるように「再エネの自立化」をサポートするとしている。
■アンカーが蓄電池に参入
モバイルバッテリーなどの家電メーカーのアンカー・ジャパン(本社東京都)は今年1月末、家庭用蓄電池市場に参入すると発表し、新製品「Anker Solix XJ シリーズ」の販売を開始した。
(続きは、「日本流通産業新聞 2月13日号で)
【住設訪販業界】 再エネ市場に新たな動き/買取額上昇、新規参入の受け止めは(2025年2月13日号)
記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。