ウォーターダイレクト/中堅水宅配と経営統合/グループで業界首位狙う

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 水宅配事業を手掛けるウォーターダイレクトは4月15日、中堅水宅配のエフエルシー(本社東京都、萩尾陽平社長)と経営統合すると発表した。販売ノウハウの共有や、スケールメリットの創出などが目的。宅配水のブランドも統合し、顧客数で業界首位を狙う。
 持株会社の「プレミアムウォーターホールディングス」を設立し、7月をめどにウォーターダイレクトとエフエルシーを子会社化する。ウォーターダイレクトは東証2部に上場しており、経営統合後もプレミアムウォーターホールディングスが上場を維持する。
 ウォーターダイレクトは「クリティア」のブランド名で水宅配事業を展開している。顧客数は15年3月末時点で、子会社を通じて販売している宅配水ブランドを含め約23万件。
 エフエルシーは「プレミアムウォーター」のブランド名で水宅配事業を行っている。ビジネスモデルは「ワンウェイ方式」。全国の商業施設などにブースを出店し、試飲を通じて顧客を獲得する販売手法を得意とする。顧客数は公表していないが、15年2月期の売上高は約89億円だった。
 ウォーターダイレクトは12年4月からエフエルシーに対し、OEMで宅配水を供給している。
 ウォーターダイレクトとエフエルシーは、どちらも光通信の連結子会社。光通信がプレミアムウォーターホールディングスの筆頭株主になる予定。
 2社は経営統合後、グループの水宅配ブランドを「プレミアムウォーター」に統一する。顧客数は30万件を超えるとみられる。
 水宅配のブランド別の顧客数は、企業側の発表によるとナックが展開する「クリクラ」が約50万件で業界首位。アクアクララが手掛ける「アクアクララ」は約48万件で2位に付けている。
 水宅配業界ではメーカー同士の顧客獲得競争が激化している上、物流コストや資材調達コストの上昇が課題になっている。ウォーターダイレクトとエフエルシーの経営統合は、顧客数の拡大を背景に知名度を高めるとともに、スケールメリットを創出して利益を生みやすい経営体制を構築する狙いもあるとみられる。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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