ネットワークビジネス(NB)企業でSNSアプリの活用が徐々に広がっている。製品などのPRに活用しているほか、会員が特定商取引法の明示義務を守りながら情報発信しているケースもある。一般的なSNSだけでなく、自前でアプリを作って会員組織内での交流・発信をサポートしている企業もある。一方で、法律に抵触するリスクが高いことから、会員のビジネス活動におけるSNS活用を一律禁止している企業も少なくない。NBでの活用を制限するSNSもあり、NBにとってSNS活用は他の業種に比べて簡単でない。ハードルがある中でもSNSをうまく活用しているNB企業の事例や、運用における注意点をまとめた。
NBによるSNS活用は大きく2種類あるようだ。主宰会社が新製品やビジネスプロモーションを情報発信してPRに活用したり、会員が情報発信してビジネスに生かす例もある。
こうした動きの背景には、コロナ禍で進んだNBによるデジタルツールの普及がある。現在は対面でのリアル活動に戻っているが、デジタルの利便性を生かしたビジネス支援を継続してSNSを活用している。
SNS活用が進んでいるのは、大手・外資系NBが中心だが、中堅でも意欲的な企業が少なくない。
化粧品を製造販売するコンフィアンス(本社東京都、恩田恵次社長)によるネットワークビジネス(NB)ブランド「モビリア」では、リアルを軸としながらも、デジタル施策に力を入れる。その一環として、「SNS活用も視野に入れている」(モビリア事業部・石田嘉治部長)と話す。
他にもSNSを活用できるよう仕組みづくりを進める企業はあり、その関心は高まっているようだ。
■主宰会社は製品や宣伝で
外資系NBの主宰企業、パートナーコ・インターナショナル(本社米国ユタ州、ダレン・ゾブリストCEO)の日本支社では、各種SNSツールを活用して、イベントレポートや大規模イベントに向けた告知を行う。フェイスブックでは6月1日のプレオープンイベントや、7月15日のタヒチのモエタイ・ブラザーソン自治大統領の来社の様子を詳細に共有した。
ネオライフインターナショナル(本社東京都、岩井直子社長)は、製品に関するセミナーや健康習慣に関する投稿をしている。SNS動画では、社長自身が製品に配合する特徴的な成分や強みを語りかける。「リーダーからは見込み客への呼びかけがしやすくなったとの声が聞かれる。セミナーの集客率は20%ほど上がった」(担当者)。
大手や外資系を中心に、PR活動としての活用は広がるが。最近は会員向けの製品理解や、販促イベントの集客につなげるような、一歩踏み込んだ形で会員のビジネス支援につなげている。
■会員による活用事例も
パートナーコ・インターナショナル日本支社では、会員もSNSを活用することができる。法令を踏まえた注意喚起をしながら、製品やビジネスの訴求をサポートする。
ただ、会員によるSNS活用を認める企業においても、不特定多数への投稿は禁止したり、ビジネスではなく製品の紹介に限定して認めたりするなど、活用方法には限定的なものも多い。
(続きは、「日本流通産業新聞」7月25日号で)
【<NB企業> NBで広がるSNS活用】 運用にハードルも、活用例増える/自社アプリで交流・発信促す事例も(2024年7月25日号)
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