中堅ECモールがファンの囲い込みに注力している。ディー・エヌ・エー(DeNA)は3月18日、ECモールとプロ野球球団「横浜DeNAベイスターズ(ベイスターズ)」との連携強化策を発表した。ECモールの流通額の一部をベイスターズの設備投資に活用することにより、ベイスターズファンにECモールの利用を促していく。ECモール「Qoo10(キューテン)」を運営するジオシス(本社東京都、金孝種代表)は今年1月、ECモールと連携したチャットサービス「LiveForum(ライブフォーラム)」を開設した。店舗とユーザーがリアルタイムに対話できるサービスを提供することにより、ユーザーの声をもとに企画したセールを臨機応変に実施する店舗も現れているという。中堅ECモール各社は、大手モールにはない魅力をユーザーに訴求することにより、ファンとの関係を深めたい考えだ。
球団応援の特設ページ
DeNAは3月18日、ECモール「DeNAショッピング」や旅行情報サイト「DeNAトラベル」内に「横浜DeNAベイスターズ応援プロジェクト」と題した特設ページを開設した。
「DeNAショッピング」や「DeNAトラベル」の出店者はDeNAの審査を通過すれば、特設ページに無料で出品できる。特設ページ経由の流通額のうち、ショッピングは8%、トラベルは1%が、それぞれベイスターズの設備投資に利用される仕組みだ。
設備投資の一部は、けがや疲労からの回復を助ける機器「アキュスコープ(微弱電流治療器)」の購入に利用される予定。この機器は高価であるため、一部の球団にしか導入されていないという。ベイスターズファンに対して、同社のECサービスを利用することにより、選手の強化に貢献できるという気持ちを盛り上げていきたいと考えている。
200店が企画に参加
ECモールの特設ページには開設時点で200店舗が参加しており、100万品目以上が出品されている。「ベイスターズファンの出店者や、横浜周辺に事務所を構える出店者などが特設ページに積極的に参加してくれている」(守屋彰人EC事業本部長)と話す。
DeNAが球団を買収して今年で5年目となる。同社はこれまでも、ベイスターズグッズの販売や、球団の勝敗に応じた割引キャンペーンなど、球団と連携したさまざまな取り組みを実施してきた。ただ、これまでの施策は単発的なものが多かったという。ベイスターズファンに、日々の買い物や、出張の際の宿泊予約なども含め、日常的にECサービスを利用してもらえるように、今シーズンから連携をさらに強化していく。
(続きは日本流通産業新聞3月24日号で)
中堅ECモール/ファンの囲い込みに注力/DeNA球団との連携強化/Qoo10チャットで交流促進
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