【百貨店・ギフト各社通販事業のお中元商戦】 お中元向け通販・EC 今年も活況/前期比1・8倍を見込む企業も(2024年7月4日号)

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大丸松坂屋百貨店の特設サイト「2024年 大丸・松坂屋 夏の贈り物」

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 百貨店やギフトを扱う各社では、お中元向けの通販・ECが今年も活況のようだ。アフターコロナのリアル回帰が社会現象化している中ではあるが、高島屋を始めとしたギフト各社では、通販・ECにおいても、軒並み前シーズン比増収の目標を立てている。松屋、リンベルのように、お中元のEC売り上げを2桁増にする目標を掲げている企業も少なくないようだ。ギフティでは、eギフトプラットフォーム「Giftee(ギフティ)」の、今年のお中元商戦について、前期比1.8倍の売り上げを目標としているという。各社の取材からは、(1)配送ピークの分散化(2)ご褒美需要への対応(3)通販・ECから実店舗への送客-─といったキーワードも浮かび上がってきた。

■配送ピークを分散化

 高島屋のお中元商戦におけるECでの売り上げ目標は、前年比2.0%増だという。
 自社ECサイト「高島屋オンラインストア」では、期間中最大約4300点の商品を展開する。そのうち、期間中最大約1500点が日本全国送料無料となるという。
 同社では、日本全国送料無料の対象商品を「ローズギフト」という名称で打ち出し、保有顧客の囲い込みを図るうえでの武器としている。「ローズギフト」としては、高島屋がお薦めする進物好適品をラインアップしているという。
 お中元の早期購入者を対象に、ポイントプレゼントキャンペーンも実施したそうだ。
 お中元を贈る時期は、地方によって違いがある。これまで首都圏では7月上旬から15日ごろまでの配送が一般的だった。首都圏以外の地域では、7月上旬から8月15日ごろが一般的だったという。ただ、同社のお中元ECにおいては近年、早期化の傾向があり、「6月下旬からのお届け」のケースも増えているのだそうだ。
 高島屋では、顧客に対して、お中元ギフトの「配送ピークの分散化」を推奨しているのだ。
 社会インフラである「宅配の安定化」や、配送車両運行に伴う「CO2排出の削減」が狙いだという。物流や環境に優しい「6月のお届け」を特に推奨しているのだそうだ。
 顧客の指定がない限り、お中元ギフトは6月20日より順次配送する旨の案内を行っているという。


■目標は17%増

 松屋(本社東京都)では今年も、公式オンラインストア「松屋オンラインストア」におけるお中元商戦の売り上げが伸長すると見込んでいる。お中元商戦におけるEC事業の売り上げ目標は、前年比17%増に設定しているそうだ。
 EC限定で、送料無料にしたり、送料込みのお得な価格で購入できるようにしたりしているという。
 お中元のカタログ掲載点数は、約1800点と前年並みだとしている。そのうち、EC限定の送料無料ギフトも100点あるという。
 全体的な傾向として、高額商品の売り上げが増加傾向にあり、客単価は上昇しているそうだ。そのため、今年のお中元商戦では、ホテルブランドのお菓子や、冷凍食品など、松屋ならではの高級・限定ギフトを提案しているという。
 オンラインストアでの販売点数は、約1700点で、前年より約160点増加したという。
 24年のお中元商戦のカテゴリー別の売れ筋商品としては、ビール・洋菓子・カタログギフト・飲料・和菓子の順になるとの予測を公表している。


高まるご褒美ニーズ

 大丸松坂屋百貨店(本社東京都)は5月8日、お中元商戦「2024年大丸・松坂屋 夏の贈り物」を、「大丸松坂屋オンラインストア」からスタートした。

(続きは、「日本流通産業新聞 7月4日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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