【多様化するEC決済】 キャリア、QR、後払いなど利用は分散化(2024年8月29日号)

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む

 ECサイトの決済利用が多様化している。利用率はクレジットカード決済が依然高いが、その割合は年々減少している。一方で、スマホのキャリア決済やQRコード決済、ポイント決済、後払い決済の利用が増え、消費者の決済手段は分散化している。クレジットカードについては、25年3月までに本人認証の国際規格「EMV3―Dセキュア」の導入がECサイトに義務付けられ、EC事業者を取り巻く決済サービスの状況は変化が続きそうだ。

 決済代行サービスを提供するSBペイメントサービス(本社東京都)が今年7月に行ったECサイトの決済方法の調査結果によると、利用率は男女とも「クレジットカード決済」が7割近くを占めて1位だったが、18年から24年にかけて利用率は減少している。この間、物販では「PayPay」「楽天ペイ」といったオンライン決済の割合が高まっていることが分かった。
 決済代行会社のDEGICA(日本支社東京都)が5月に発表した調査でも、若い世代を中心にクレジットカード決済が減少傾向にあり、それ以外の利用率が高まっていることが示された。年齢が若くなるほど、スマートフォンのキャリア決済やQR決済、コンビニ決済の利用率が高まる傾向が見られた。


■コンビニ払い選ぶ人も

 クレジットカード以外の決済が増えている背景には、消費者の生活スタイルの変化がありそうだ。
 若い世代を中心にクレジットカードを持たないという消費者も少なくない。QR決済などのデジタルウォレットは、実店舗における決済で活用が一般化し、スマホで完結する手軽さも支持を集め、普段から使い慣れた決済方法としてECでの利用率も高まっているようだ。
 また、「コンビニ払い」は、決済完了までのスピードは遅くなるものの、「24時間営業のコンビニが家の近くにあり、ついでに支払えるという理由で選ばれるケースが意外と多い」(DEGICAの林浩一郎CMO)と言う。
 その他にも、翌月以降の後払い決済も増えている。「Paidy」やネットプロテクションズの「atone」などは、分割決済でも手数料がかからないサービスとなり、高額な商品でもクレジットカードを使わずに買い物がしやすい。
 ECサイト選びの基準は、

(続きは、「日本ネット経済新聞」8月29日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

Page Topへ