国セン/水素水生成器の効果を明確に/関連性低いデータ掲載で

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 国民生活センターは3月10日、水道水を電気分解して、活性酸素のヒドロキシラジカルを抑制する水素水を作る生成器の商品テストの結果を公表した。テスト結果は生成器の性能が広告と大きく異なることはなかったが、人体への効果・効能を明確にして表示するよう、事業者に要望した。

 国センによると、水素水生成器に関する相談件数は10年度から15年末までの5年間で220件、14年度は前年比78・7%増の59件が寄せられた。相談は「がんが治る」などの販売方法に関する内容が157件で最多。販売形態は「訪問販売」が63件、「マルチ」が53件、「店舗購入」が37件、「通信販売」が19件となっている。
 こうした状況を踏まえ、国センは大手通販モールで購入できる2銘柄の商品テストを実施。ドレスイン(本社東京都、佐藤伸吉社長)の「アクオリア」と、インクローバー(本社大阪府、岡本圭子社長)の「アクアクローバー」の2銘柄が調査対象となった。
 装置にかける前の水から測定されたヒドロキシラジカルの量と、装置にかけた後の量を算出し、消化率を調べた。実験方法は、事業者が広告などで示している方法を採用したところ、いずれも銘柄もほぼ広告通りの結果ヒドロキシラジカルを消去できていることを確認した。
 一方、広告には人体への効果、効能で関係性が少ないとされるようなデータも掲載されている。説明をきちんと読まなければ、消費者がこうした水が健康面で効果があるかのよう錯覚してしまう可能性があると指摘した。
 国センは、事業者に装置にかけた水がどのような効果を明確にするよう要望。「商品がどのような物なのかを、しっかりと伝えてほしい」(商品テスト部)としている。
 今後の対応についてドレスインは、「カタログのパンフレットについて消費者に誤認を与えないような表現に修正する」としている。卸先の販売店には、販売員に対してコンプライアンスの徹底を要請。水素水研究の精度を高めて、海外の研究者と連携すると本紙の取材に答えた。
 もう1社のインクローバーは3月16日までに、担当者不在を理由に回答を得られなかった。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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