<特商法5年後見直し> NB参入規制の提言目立つ/消費者委、日弁連など意見書出そろう(2024年5月30日号)

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 施行の5年後に、消費者被害の実態を考慮して法律の不備などを見直す「特定商取引法の5年後見直し」にあたり、団体から意見が相次いでいる。中でも大きな動きとなりそうなのは、「連鎖販売取引(マルチ商法)の参入規制」だ。団体からの意見が法改正に反映されれば、既存のネットワークビジネス(NB)事業者にとって規制強化となる可能性がある。このほか「オプトイン規制」による勧誘制限を求める声もあがっている。各団体の意見を踏まえ、訪販NBへの影響をまとめた。

 「特商法5年後見直し」に対する消費者委員会や弁護士会などの意見書が出そろってきた。
 特商法は施行から5年後をめどに、消費者被害の実態を考慮して法律の不備などを見直す規定を定めている。悪質な業者による消費者トラブルや、取引環境の変化を踏まえ、法改正に反映していく。
 現在の具体的な動きとして、25~29年の政策の柱となる「消費者基本計画」の策定に向けた議論が進む。委員から寄せられた意見には、特商法への言及も目立つ。
 消費者庁は「25年からの消費者政策の柱として、消費者団体や委員の意見を踏まえながら、盛り込むべき内容について議論している段階」(政策課)としている。25年に基本計画が定まった後、特商法改正に向けた検討会などが随時開かれるとみられる。
 現行の特商法の施行後、消費者委員会、日本弁護士連合会(日弁連)を中心とした弁護士団体、消費者団体は、特商法の改正で反映すべきポイントを挙げて意見書を提出している。
 意見書の中で挙がっているのは、「連鎖販売取引(マルチ商法)の参入規制」だ。
 消費者委員会は今年4月22日に公表した「第5期消費者基本計画」の策定に向けた意見書の中で、「訪問販売や電話勧誘販売について事前拒否者に対する勧誘を禁止する制度や、マルチ商法の参入規制の導入が望まれる」と明記している。
 新たな制度や規制の導入の可能性について消費者委員会は「現在は消費者政策の枠組みについて議論している段階」(事務局)として明言は避けた。ただ、第5期消費者基本計画が策定されれば、これを柱に特商法の具体的な法整備が進むとみられる。
 日弁連は、23年7月に国へ提出した意見書の中で、「訪問販売および電話勧誘販売を行う者は、国または地方公共団体に登録をしなければならないものとする」とした。
 これより踏み込んで意見をしているのは東京第二弁護士会で、「国による登録・確認等の事前審査」「業務・財産の状況等に関する情報を特定負担に関する契約を締結しようとする者や加入者に開示しなければならないもの」と提言する。東京第二弁護士会は「登録などの管轄は、経産省など国の省庁が担っていくことを想定して意見を提示している」(事務局)と言う。
 そのほかにも、

(続きは、「日本流通産業新聞」5月30日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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